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2009年7月28日(火)「しんぶん赤旗」

独身の若者 時給1332円必要

東北地方生計費

労働総研・全労連が試算


 東北地方で独身の若者が自立した最低限度の生活を送るには、時給で1332円が必要―。労働運動総合研究所と全労連は27日、東北で働く単身者に保障されるべき最低生計費の試算(中間報告)を発表しました。岩手県の最低賃金時給628円の2倍以上となっており、大幅な引き上げと全国一律制度の必要性を示しています。


 岩手県北上市の郊外に住む25歳の単身男性を想定し、生活実態調査をもとに健康を維持し、社会生活を営むのに必要な費用を積み上げて算出しました。

 今年度の最低賃金の目安を決める中央最低賃金審議会はヤマ場を迎え、経営側が引き上げを拒んでいますが、貧困と格差の打開には、全国平均の時給703円からの大幅引き上げこそ必要なことが浮き彫りになりました。

 現在、最賃時給は地域別にA〜Dの4ランクに分けられ、最高額766円(東京、神奈川)から最低額の627円(沖縄、鹿児島、宮崎)まで格差がつけられています。

 東北地方では、宮城、福島が「Cランク」、青森、秋田、山形、岩手が「Dランク」。住居費が安い代わりに公共交通機関が不便である場合が多く、自動車が生活必需品であるなど、最低生計費は労働総研が昨年12月に試算した「Aランク」の首都圏(さいたま市、時給1345円)と時給換算で13円しか違いません。最賃の地域格差解消が求められます。

 最低限の生活には、年収約280万円が必要であり、厚生労働省「平成17年(2005年)国民生活基礎調査」で、20代の4人中に3人が最低生計費に満たない生活をしています。

 記者会見で、伊藤圭一全労連調査局長は、「私たちは、全国一律時給1000円以上の確立を目指しているが、生活の中身から、根拠のある主張であると確信を持てた」と述べました。

 試算の監修責任者・金澤誠一佛教大学教授は、「若者は、家族の支援がなければ生活できず、自立への展望が持てない。最低生活保障なくして、自由はありえない」と強調しました。

表

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