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2009年7月26日(日)「しんぶん赤旗」

英消費税減税

「期間延ばせ」声強く

“景気回復に効果”


 英国政府が景気対策として実施している付加価値税(消費税)税率引き下げの期限延長を求める声が強まっています。同国では昨年12月、17・5%だった税率が今年末を期限に15%に引き下げられています。(ロンドン=小玉純一)


 英民間調査機関の経済ビジネス調査センター(CEBR)エコノミストのウィリアムソン氏は、「経済協力開発機構(OECD)の数字では、小売り売り上げは英国で増えているが、日本や米国では落ちている。これらの国々は英国のような消費税減税をしていない」と語り、減税措置の効果を強調しました。

大みそかは最悪

 英紙デーリー・メール22日付によると、小売りの大手企業は今、減税期間の延長をダーリング財務相に要望しています。大手スーパーチェーン、セインズベリーのキング社長は「税率を元に戻す日が大みそかとは最悪だ」と政府を批判。値札の張り替えなどで「時間外労働が必要となり経費がかさむ」ことも、その理由としています。同じく大手スーパーチェーンのマークス・アンド・スペンサーのローズ社長も「大みそかとは正気のさたではない。1カ月遅らせるべきだ」と話しています。

 同紙は、クリスマス休暇の売り上げが年間の6分の1を占めていることを指摘し、冬の特売シーズンに税率を戻すのは「景気回復のチャンスを損ねる」という小売業界の懸念を伝えています。

「二番底」を警告

 21日のインディペンデント紙は、英小売協会(BRC)のグーレイ氏の見解を紹介。同氏は、減税期間の終了や失業増による景気の「二番底」を警告。「消費税減税は人々が考えているより大きな積極的影響力を持っている」と指摘します。

 デーリー・メール紙22日付によると、イングランド東部ノーリッジ北の下院補選を前に、現地を訪れたダーリング財務相に対し、地元有力者が小売業と観光業の支援のため減税期間の延長を嘆願しました。

 また同紙は、CEBRのマクウィリアムズCEO(最高経営責任者)が「景気回復の兆しが明らかになるであろう来年6月まで減税期間を延長すべきだ」と主張していることを紹介しています。



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