2009年7月25日(土)「しんぶん赤旗」
女性差別撤廃条約の実行停滞
国連で日本批判噴出
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【ニューヨーク=小林俊哉】女性差別撤廃条約をめぐり、国連の女性差別撤廃委員会は23日、国連本部で日本政府の条約実施状況について審査しました。80人を超える日本の女性団体メンバーが傍聴。日本に対する審査は6年ぶり4回目です。
日本政府代表団の責任者・南野知恵子参院議員(自民)は概況報告で「残念ながら、取り組みは遅れている」とのべました。
委員からは、日本政府の取り組みの遅れに対する強烈な不満が相次ぎました。条約2条で女性差別となる法律の修正・廃止を定めているにもかかわらず、依然として夫婦同姓、婚姻年齢の男女差別など民法上の差別が残っているとの声が上がりました。法務省は「国民各層や関係方面でさまざまな議論があり、動向を注視している」と回答し、場内から失笑がもれました。
また、「条約を“宣言”とみなして、法的拘束力を持つものとみていないのではないか」などの指摘もあがりました。
岡島敦子内閣府男女共同参画局長は「政府の冊子に、条約採択30周年だとちゃんと書いている」などとのべ、“釈明”に追われました。
日本軍「慰安婦」問題にも質問が集まりました。「法的に解決済み」との主張を繰り返す外務省に対し、委員からは「何度も同じ説明を繰り返しているが、それでは不十分だ。日本政府は、この歴史的問題を避けずに、誠実に正面から取り組むべきだ」と強烈な批判が突きつけられました。
同委員会は今回の審議をふまえ、政府への勧告などを含む「最終見解」を8月中にも発表します。