2009年7月24日(金)「しんぶん赤旗」
民間団体の覆面投票
保育政策 共産党人気1位
不況や雇用破壊などとも相まって、保育の必要な子どもが急増しています。保育の充実は、総選挙でも大きな争点の一つ。願いを託せるのは、どの党でしょうか。
民間団体「保育園を考える親の会」(普光院亜紀代表)は昨年12月、主要6政党に対し「待機児対策についてのアンケート」を実施しました。寄せられた回答の政党名を伏せ、同会主催の勉強会に参加した保護者ら約50人に人気投票を呼びかけたところ、日本共産党の政策がダントツの人気でした。
投票は、施策の考え方で特に良いと思うものに○、特に悪いと思うものに×を記入する方式で行われました。(複数回答)
「待機児対策」では「安易な詰め込みや営利企業の参入拡大などではなく、認可保育所の新増設で対応すべき」だとした日本共産党の政策が、17人の支持を得て1位。一方、11人が×をつけて最も不人気だったのは、「幼稚園と保育所の一本化の推進」や「保育ママなど多様な選択肢の拡充」を掲げた民主党の政策でした。
「保育の質を確保するための仕組み」では、「現行最低基準は低すぎる。国の保育所運営費を抜本的に増額し、改善すべき」だとした日本共産党の政策を16人が支持。「保育所の入所手続き」についても「自治体を通じて申し込む現行の仕組みを守るべき」だという日本共産党の回答に17人が○をつけました。
「保育料」では「所得に応じた保育料設定を維持すべき。ヨーロッパの幼児教育の無料化のように日本でも無償化に向けて段階的に軽減を進めるべき」だとした日本共産党の政策に、16人が支持を表明しました。
「公的責任で」に支持
「共産党はよく勉強している」
民間団体「保育園を考える親の会」の主要6政党アンケートに基づく人気投票で、「財源」では「年間5兆円の軍事費の削減、320億円の政党助成金などの無駄をなくす」ことを掲げた日本共産党と、「防衛費削減、大企業の法人税引き上げ、無駄な公共事業の削減」などを挙げた社民党の政策が、それぞれ13人の支持を集めトップでした。
「親の会」の普光院亜紀代表は「私たちの会は、どこかの党に肩入れする立場ではありませんが、『国や自治体が保育に責任を持つべきだ』との主張が強く支持される傾向が出たと思います」と語るとともに、「共産党の回答は全体として詳しかった。長年、保育の問題をよく勉強しているからだと思います」とコメントしました。
自民党は「親の会」アンケートに、「表に現れている約2万人という待機児童の数の背後には、まだまだ大きな潜在需要を抱えており…与党として大変申し訳なく思っています」などと低姿勢の回答を寄せています。
しかし、自公政権は保育予算を削り、保育所の整備を怠ってきました。安易な詰め込みなどの規制緩和を進め、待機児の定義まで変えて待機児を少なく見せようとしてきました。
現在、自公政権は、国や自治体の保育実施義務をなくし、営利企業を含めた市場に委ねる保育制度改変を狙っています。人気投票では、この方向は支持されていません。
民主党は、アンケート回答時点では「保育所を選択できる仕組み」「サービス利用に応じた負担」など、自公政権が進める保育制度改変に重なる政策を掲げていました。
23日に発表した「民主党政策2009」では、「多様な保育サービスの『量』の確保」「幼稚園と保育所の一本化」を掲げています。
日本共産党は、憲法や児童福祉法に基づき、保育は国・自治体の公的責任で行うべきだとの主張を一貫して掲げてきました。営利企業の参入拡大などの規制緩和にも、保育の質の低下や突然の撤退などを招き、子どもと保護者の安心・安全を脅かすと、厳しく批判してきました。
この立場は、多くの保護者の共感を呼んでいます。
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