2009年7月22日(水)「しんぶん赤旗」
自公政権退場 安心と希望の政治
この願い 日本共産党に
衆院解散 総選挙来月18日公示・30日投票
志位委員長が訴え
東京・新宿
衆議院は21日午後の本会議で解散され、8月18日公示、同30日投票の総選挙日程が決まり、投票日まで40日間という戦後最長の選挙戦がスタートしました。自公政権退場の決定的「審判」を下し、それに代わる新しい政治の「選択」が問われる歴史的選挙となります。
日本共産党は、志位和夫委員長が東京・新宿駅西口と横浜駅西口で、市田忠義書記局長が大阪駅前で第一声をあげました。全国各地でも衆院比例予定候補や小選挙区予定候補がいっせいに街頭に出て支持をよびかけました。
福田康夫前首相の政権投げ出し(昨年9月)を受け、「総選挙の顔」として登場した麻生太郎首相は、国民の批判を恐れ、「解散」を決断できないまま10カ月以上も迷走。結局、任期満了(9月10日)直前の国民世論による「追い込まれ解散」となりました。
衆院の解散は、2005年8月に小泉純一郎首相(当時)が「郵政民営化」を争点に行って以来4年ぶりです。
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志位委員長は、衆院の解散をうけ、新宿駅前で、「自公政治を退場させ、安心と希望のもてる新しい日本をつくろう。この願いをどうか日本共産党にお寄せください」と気迫を込めて訴えました。
「この選挙は、主権者・国民がゆきづまった自公政権を終わらせる決定的な『審判』を下し、新しい政治の進路を『選択』する選挙です」
冒頭こう訴えた志位氏はまず、「自公政治のもとで、国民の暮らしの安心が奪われ、希望が奪われた」と強調しました。
「使い捨て」の不安定雇用が34%に達し、「働く貧困層」が1000万人を超え、社会保障費抑制で医療・介護・年金はズタズタだと告発。文部科学省の世論調査でも、今後の生活が「豊かになる」と答えた人が過去最低の11%となり、「貧しくなる」が過去最高の57%にのぼっていると述べ、政治の責任を厳しく指摘しました。
志位氏は「自公政権が続くことは国民にとって百害あって一利なしです」と強調。自公政権に正面から対決してきた党として、自公政権を退場に追い込む「決定的な審判」を下すために全力をあげる決意を表明すると、聴衆からは「そうだ!」の声と力強い拍手が起こりました。
では、自公政権を終わらせた後に、それに代わるどのような政治をつくるのか。志位氏は、「新しい政治の進路を『選択』してほしい」と呼びかけました。
安心と希望の政治をつくるには、あまりにひどい財界・大企業中心と「軍事同盟絶対」という古い枠組みから抜け出すことが必要だと力説。日本共産党が21世紀の日本の進路として掲げる「二つの旗印」((1)「ルールある経済社会」をつくる(2)「自主・自立の平和外交」に転換する)を訴えるとともに、これまでにもこの立場で行動し、実際に政治を動かしてきた党の姿を大いに語りました。
そのうえで、総選挙後、民主党中心の政権が成立する可能性が大きいと指摘した志位氏。「民主党には『財界中心』『軍事同盟絶対』の政治から抜け出すという立場がみられません。個々には日本共産党と一致する政策もありますが、容認できない大問題もあります」と述べ、日本共産党は「建設的野党」としての立場を堅持し、「三つの仕事」に取り組むと約束しました。
(1)国民の要求を実現するために政策を提起し、一致点で政治を前に動かす「推進者」(2)民主党が危険な政策を具体化する動きが起こったときには、「防波堤」となる(3)「国民が主人公」の民主的政権をつくるための国民的共同を探求・前進させる―という「三つの仕事」です。
志位氏は「国民の立場でよいものには協力し、悪いものには反対という是々非々の立場で行動します。積極的に提案する“行動する是々非々”です。現実の政治を一歩でも二歩でも前に動かすために力を尽くします」と表明。最後に「いま日本の政治は、大きな歴史の転換点にさしかかっています。この歴史の新しい一ページをめくるのが今度の総選挙です。日本共産党を躍進させて、自公政治退場の願いを実らせようではありませんか。安心と希望がもてる新しい日本への願いを、どうかこぞって日本共産党にお寄せください」と呼びかけると、聴衆から「がんばれ」の声と大きな拍手がわき起こりました。
お年寄り・子ども医療費
国の制度で無料に
志位氏が提案
志位氏は21日の演説の中で、医療費の窓口負担は、欧州では無料が当たり前なのに、日本では3割負担となっている異常を告発しました。
「日本共産党は、高すぎる窓口負担の軽減に踏み出し、ゆくゆくは無料の日本を目指します。その第一歩として、国の制度として、75歳以上のお年寄りと就学前の子どもの医療費を無料にすることを提案するものです」と訴え、盛んな拍手を受けました。