2009年7月20日(月)「しんぶん赤旗」
消費税19.6⇒5.5%に仏が引き下げ
レストラン、食料品と同率
【ロンドン=小玉純一】フランスで1日からレストランの消費税(付加価値税)率が19・6%から5・5%へ下がっています。食料品にかかる消費税率と同率にしたためで、約14ポイントの引き下げです。不況で苦しむ主要産業へのテコ入れと国全体の消費刺激が狙いです。
2年で4万人雇用業界が創出を約束
欧州連合(EU)がレストランなど一定分野の付加価値税率引き下げを加盟国の裁量としたことを受けての措置です。EU財務相会議はこの問題で3月に合意し、5月に指令をだしていました。EU加盟国の標準付加価値税率は最低15%ですが、合意した分野で5%まで引き下げることができます。
この減税でフランス政府の直接の減収は20億ユーロ(約2660億円)以上と見積もられています。レストラン業界は減税と引き換えに、2年間で約4万人の新たな雇用をつくることを約束しました。
減税で料理価格をどれだけ引き下げるかは経営者の裁量です。ラガルド財務相が減税初日に事前通告なしに立ち寄ったパリのレストランは値段を下げていました。トマトとモッツァレラの前菜が6・10ユーロ(約810円)から5・35ユーロ(約710円)、ラム肉料理が15ユーロから13・5ユーロ、クリームキャラメルのデザートが4ユーロから3・8ユーロなどです。
地元で取れた、より新鮮な食材を仕入れるために減税分を活用し、料理価格を下げない店もあるといいます。
なおアルコール類への減税はありません。
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