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2009年7月19日(日)「しんぶん赤旗」

英、比例導入の声高まる

選挙制度改革求め集会


 

100年以上の小選挙区制の歴史がある英国で比例代表制度の導入を求める声が強まっています。(ロンドン=小玉純一)


 選挙制度改革の国民投票実施を求める運動がロンドンで9日、始まりました。運動団体「改革のために投票」が呼び掛け、「すべての票が有効となる選挙制度」として比例代表制度の導入を求めています。

 来年6月までに実施される総選挙時に選挙制度に関する国民投票を政府に実施させることが目標。運動開始の集会には、活動家やジャーナリスト、音楽家ら約800人が集まりました。国会議員が住宅手当を私的に乱用するなど腐敗が大問題になったなかで、「国民の多くは自分たちを代表する政治家を持っていない」とし、「いま変化させるとき」と強調しています。

 有力紙インディペンデントは8日、アラン・ジョンソン内相の比例代表制導入を含む選挙制度改革を訴える論考を掲載しました。内相はすでに保健相当時の5月、タイムズ紙へ寄稿し、小選挙区制と比例代表制の併用制を主張。この併用制か現行の小選挙区制度かという選択の国民投票を総選挙投票日に実施することを提案しています。

 内相は手当乱用問題でブラウン首相が窮地に陥った際、次期労働党党首の有力候補と報じられた実力者です。今回改めて、労働党に選挙制度改革を実行するよう訴えた形です。

 現国会の二大政党、労働党や保守党の議員の多くは比例代表制度導入を支持していません。他方、世論は比例代表支持が優勢。現行制度支持25%に対し比例代表制支持が34%です(8日、インディペンデント紙)。

 9日の集会に参加した活動家は「影響力のある効果的運動が必要だ」と訴えています。

欧州議会や地方選では実施

 英国の総選挙は完全小選挙区制で実施。全国の得票率で第1党の政党が議席数で第2党となる事態が起きたり、第三の政党が2割の得票をえても議席はわずかということが問題になってきました。ジョンソン内相が今回主張する併用制は、ブレア政権下の1998年に「選挙制度に関する独立委員会(ジェンキンズ委員会)」が報告したもの。ブレア首相らが無視して報告は休眠状態となりました。ただその後、欧州議会選挙は比例代表制で、スコットランドやウェールズ、ロンドン議会の選挙では比例代表制が加味された制度で実施されています。


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