2009年7月19日(日)「しんぶん赤旗」
自民 マニフェストづくり
混迷 議員から不満 分裂含み
21日の衆院解散、8月18日公示―同30日投開票の日程で総選挙が動きだします。解散を前に自民党は、混迷と矛盾を深めています。
「総選挙に一致団結してたたかうのが自民党の長い歴史の伝統だ。その先頭に立ってたたかい抜かなければならない」。麻生太郎首相は17日、自ら表明した解散方針に中川秀直元幹事長ら自民党内グループが反対している動きをけん制しました。
解散断行によって主導力を示そうという狙いですが、マニフェストの表紙から自らの写真をはずすよう指示するなど“弱気”な面も。「麻生首相の写真が載ったマニフェストなんて国民に配れない」(中堅議員)との声も聞かれるほどがたがたです。
自民党は同日、細田博之幹事長を責任者とする選挙公約作成委員会の会合を開き、来週中にマニフェストを策定する方針を申し合わせました。席上、細田氏は「野党と大いに選挙公約を通じてたたかっていかなければいけない」と強調しましたが、その公約づくりは少数幹部によるもの。「総選挙突入なのに、いまだ自民党が国民に掲げる旗印さえみえない。麻生首相は日本をどういう方向に持っていこうとしているのか」(若手議員)の不満が出ています。
麻生首相が解散に踏み切った場合、中川氏や鳩山邦夫前総務相らは独自にマニフェストを打ち出すことも示唆するなど、自民党内は分裂含み。河村建夫官房長官は18日の民放番組で「党が決めた大方針を変えるわけにはいかない。(実行するなら)完全に党を分けなければいけない」と離党を促す可能性に言及しました。