2009年7月18日(土)「しんぶん赤旗」
西松建設元社長に有罪
二階・小沢氏ら 問われる説明責任
東京地裁判決
準大手ゼネコン「西松建設」の違法献金事件で、政治資金規正法違反などの罪に問われた同社元社長の国沢幹雄被告(70)の判決公判が17日東京地裁であり、山口雅高裁判長は禁固1年4月、執行猶予3年(求刑1年6月)を言い渡しました。判決は、同被告がダミー(隠れみの)政治団体を使って小沢一郎民主党前代表側や二階俊博経済産業相側に資金提供したことを、「政治資金の収支を透明化することで政治活動の公明と公正を確保しようとした法の規制をことさら免れた」と批判。二階、小沢両氏ら政治家側も、改めて説明責任が問われます。
山口裁判長は、小沢氏側への偽装献金について、岩手・秋田両県の公共工事受注業者の決定に強い影響力を持っていた小沢氏の秘書らと良好な関係を築くためだったと指摘。小沢氏側のゼネコン談合組織への影響力を認定しました。
自民党二階派の政治団体「新しい波」が開催した政治資金パーティー券をダミー団体名義で購入したことについては、「西松建設からのものだと公表されないため」に行ったとしました。
判決によると、国沢被告はダミー団体名義で06年、小沢氏の資金管理団体「陸山会」などに計500万円を献金、二階派「新しい波」が開催したパーティー券計340万円分を購入するなどしました。
公判では、検察側は小沢事務所が1980年代前半ごろから、岩手・秋田両県の公共工事で、ゼネコンの談合組織に本命業者を指定する「天の声」を出していたと指摘。西松建設側は「天の声」を得て工事を受注するために献金を続けたと認めていました。
小沢氏側への献金は、07年までの12年間で約1億3000万円に上り、同社は「天の声」により4件の工事を受注したとしましたが、判決では「天の声」について言及しませんでした。
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