2009年7月17日(金)「しんぶん赤旗」
自公政権を退場に追い込む決定的な“審判”をくだし、新しい日本の進路の“選択”にふみだす選挙に
――解散・総選挙にのぞむ日本共産党の基本的立場
2009年7月16日 日本共産党中央委員会幹部会
自公政権に退場を求め、「新しい政治の中身を探求する時代」
2007年7月の参議院選挙で、自公政権が歴史的大敗の審判を受けたとき、日本共産党は、「自民・公明による古い政治の枠組みをつづけていては、日本の前途はないとの国民の判断がくだった」とのべるとともに、「国民が、自公政治に代わる新しい政治の中身を探求する新しい時代、新しい政治のプロセスが始まった」ことを、国民に訴えました。
それから2年。今回の東京都議選は、ふたたび自公政権へのきびしい拒否の審判をくだす結果となりました。東京での2007年参院選での比例代表の得票と、今回の都議選の得票を比較すると、自公両党の得票は、226万票から220万票へと後退しました。民主党の得票は230万票で横ばいとなっています。日本共産党は55万票から71万票に前進しました。わが党が議席を後退させたことは残念ですが、政党間の基礎的力関係をしめす得票で、自公が後退し、日本共産党が前進したことは重要です。
国民が自公政権そのものに退場を求め、日本が「新しい政治の中身を探求する時代」を本格的に迎えたことは、いよいよ明白です。
日本共産党を伸ばし、自公政権を終わらせる決定的な“審判”を
こうしたもとでおこなわれる歴史的な総選挙で、日本共産党は、国民につぎの“審判”と“選択”を訴えてたたかいます。
一つは、自公政権を終わらせる“審判”です。圧倒的多数の国民が麻生・自公政権を見放しているのは、たんに首相の個人的資質の問題や、スキャンダル、政権運営の失態など個々の問題にだけ原因があるのではありません。その政治的な基本路線の行き詰まりが極限に達し、日本の進路についていかなる展望も示しえない姿に、国民の大多数が怒りと不満をつのらせている結果にほかなりません。
「使い捨て自由」の不安定雇用を広げ、社会保障費抑制で医療・介護・年金を深刻な危機に陥れ、庶民には巨額の負担増を押し付けながら大資産家・大企業にゆきすぎた減税をおこなう――異常な財界・大企業中心の政治が、日本社会全体に弱肉強食、貧困と格差を広げ、いよいよ立ち往生に陥っています。
米軍基地を強化し、自衛隊の海外派兵をすすめ、憲法を改定して海外での武力行使を可能にする道をすすめる――異常な「日米軍事同盟絶対」の政治が、変化する世界の現実に対応できず、深刻な行き詰まりをあらわにしています。
こうした政権がこれ以上続くことは、国民にとって百害あって一利なしです。主権者・国民の手で自公政権を終焉(しゅうえん)させることが、日本の政治を前向きに変化させる大きな契機となることは、明瞭(めいりょう)です。
日本共産党は、自公政権をその政治路線の根本からきびしく批判し、どんな問題でも、国民の利益にたって、その間違った政治と正面からたたかいつづけてきた政党です。この党を伸ばすことこそが、自公政権を退場に追い込み、「大連立」など形を変えて延命することも許さない、決定的な“審判”となることを訴えてたたかいます。
自公政治に代わる日本の進路の“選択”を問いかけてたたかう
いま一つ、私たちは、自公政権を終わらせた後に、それに代わってどのような新しい政治をつくるのか、21世紀の日本の「進むべき道」の“選択”を、広く国民に問いかけてたたかいます。
現在の政党間の力関係からみれば、総選挙の結果、民主党中心の政権が成立する可能性が大きいことは事実です。それでは民主党は、政権についたとして、自公政権に代わるどのような新しい政治をつくるのか。「官僚支配の打破」はいっても、日本経済と日本外交でどのような改革をおこなうのかは、見えてきません。消費税増税への志向、憲法9条の改定、衆院比例定数削減などの国政の重要問題で、危険な方針を表明していることも、見過ごすことができない重大な事実です。
日本共産党は、日本の政治を今日の深刻な行き詰まりから救い出し、国民が安心と希望のもてる新しい日本をつくるためには、異常な財界・大企業中心、「軍事同盟絶対」という古い枠組みから抜け出すことが不可欠だと考えます。この立場から、国民の切実な要求の実現と一体に、21世紀の日本の「進むべき道」として、つぎの二つの「旗印」を高く掲げ、総選挙にのぞみます。
第一は、国民の生活と権利を守る「ルールある経済社会」を築く。そのために異常な財界・大企業中心の政治を転換することです。
第二は、憲法9条を生かし、世界とアジアの平和に貢献する「自主・自立の平和外交」に転換する。そのために異常な「軍事同盟絶対」の政治から脱却することです。
こうした新しい日本への展望を示す日本共産党が伸びることこそ、「国民が、自公政治に代わる新しい政治の中身を探求する新しい時代、新しい政治のプロセス」を、前に進める一番の力となると確信するものです。
建設的野党として三つの仕事にとりくむ
日本共産党は、民主党中心の政権が成立した場合に、自公政治に代わるべき21世紀の日本の「進むべき道」をさししめし、その立場を行動に貫いている政党として、独自の建設的野党としての立場を堅持して、つぎの三つの仕事にとりくみます。
第一に、国民の切実な要求を実現する立場で、政策要求を積極的に提起し、課題ごとに一致点で協力し、政治を前に動かす「推進者」の仕事を果たします。
労働者派遣法の抜本改正、後期高齢者医療制度の撤廃、障害者自立支援法の応益負担の撤廃、農産物の価格保障・所得補償、米軍基地の縮小・撤去、地球的規模での核兵器廃絶へのイニシアチブ、企業・団体献金の禁止など、どんな問題でも国民の立場で積極的提言をおこない、国民の願いにそくして一歩でも二歩でも政治を前に動かすために、一致点での政党間協力を追求し、国民運動と共同して力をつくします。
第二に、消費税増税の志向、憲法改定の推進、衆院比例部分の削減など、すでに民主党が表明している危険な諸政策を具体化する動きがおこったさいには、それを許さない「防波堤」となって力をつくします。
こうした諸課題でも一致点での政党間協力を追求するとともに、広く国民世論を喚起し、国民運動と共同して、暗黒政治への逆行を許さないたたかいの先頭に立って奮闘します。
第三に、「国民が主人公」の立場にたった民主的政権――民主連合政府をつくるための国民的共同を探求、前進させるために力をつくします。どんな問題でも、「財界・大企業中心」「軍事同盟絶対」の政治に代わる、真の対案をさししめし、政治の根本的転換にむけた国民的な合意をつくりあげる努力を強めます。
日本政治の大転換期――日本共産党の前進いかんが、総選挙の最大の焦点
いま日本の政治は大転換期を迎えつつあります。今度の総選挙は、その最初の一大政治戦となります。
国民が自公政権を終わらせる決定的な“審判”をくだし、自公政権を終わらせた後の日本の政治をどう前進させるかが問われる歴史的総選挙の最大の焦点は、日本共産党が前進するかどうかにあります。自公政治の根本をつき正面からたたかい続けてきた党、自公政治に代わる日本の「進むべき道」をさししめす党、国民の利益に立って建設的野党としての役割を果たす党――日本共産党が前進することこそ、国民の願いにかなう新しい日本への道を開く最大の力となります。
日本共産党を伸ばして、自公政権を退場に追い込む決定的な“審判”をくだし、新しい日本の進路の“選択”にふみだす選挙にしよう――私たちはこのことをすべての有権者に訴え、勝利のために全力をつくします。