2009年7月11日(土)「しんぶん赤旗」
経団連、公約押しつけ
消費税18%/憲法「改正」
自民と民主に「優先事項」
日本経団連(御手洗冨士夫会長)が、総選挙の各党の政権公約(マニフェスト)に盛り込むべきだとする「優先事項」を発表しました。経団連が総選挙を前に自民、民主に政策要求を突きつけるのは、はじめての措置。選挙後の政権を見越して、「民主党であろうと、自民党であろうと、経団連の政策をぶつけていく」(御手洗会長)ためのものです。
今回発表した「優先事項」10項目の柱は、経団連が自民、民主に企業献金をあっせんするうえで1月に示した「優先政策事項」と同じです。御手洗会長は6日の記者会見で、同会が「究極の構造改革」と位置づけている道州制の基本法制定を公約に盛り込むよう、特に強調しました。同会が想定している道州制は、現在の都道府県を廃止し、全国を10程度に区分する道州を設置。地方公共団体を道州と基礎自治体という2層制に再編する、というもの。導入のめどを2015年に設定しています。
御手洗会長はさらに、社会保障財源として消費税増税を挙げ、「2015年ぐらいに、(さらに)5%上げ、2020年半ばには、17、18%まで上げる必要がある」と指摘しました。消費税率については、同会が2月に発表した社会保障「改革」の提言に沿ったものです。
主な優先事項
1 危機克服への対応と民主導の成長力強化策
2 持続可能な社会保障制度と、消費税を含む税制「改革」
3 民間活力の発揮を促す規制改革・民間開放
4 国際競争力強化に向けたイノベーションの推進
5 環境と経済のバランスのとれた環境・エネルギー政策
6 公徳心を持つ人材を育成する教育「改革」の推進
7 雇用・就労の多様化の促進
8 「道州制推進基本法」の制定と経済圏の確立
9 通商・投資・経済協力政策の推進
10 戦略的な外交・安全保障の推進と憲法「改正」に向けた合意形成
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