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2009年7月8日(水)「しんぶん赤旗」

都議会は自公民「オール与党」

民主党 99.3%賛成 どこからみても与党

野党ポーズでも実態は隠せない


 東京都議会で自民、公明両党は石原知事のこの4年間の提案に100%賛成ですが、民主党も99・3%に賛成しているまぎれもない「オール与党」です。選挙でその実態を隠して「野党ポーズ」をとっている民主党の政党としての資質、都民に対する誠実さがきびしく問われています。


願いに背向ける

■高齢者福祉

寝たきり助長と手当復活に反対

 「何がぜいたくかといえばまず福祉」。初当選した時に石原知事が言い放った言葉です。「マル福」と呼んできた65歳以上の医療費助成制度の廃止、70歳以上の高齢者のバス・地下鉄の敬老乗車証であるシルバーパスの全面有料化、特別養護老人ホームへの人件費補助と用地費補助の廃止などを無慈悲にすすめました。

 これらすべてに、自民、公明だけでなく民主党も「施策の厳しい選択や再構築には福祉も例外ではない」(99年7月6日、島田久都議)などいって、高齢者施策の切り捨てに賛成してきました。

 日本共産党が提案した老人福祉手当の復活条例に対しても、民主党は「現金給付は寝たきりを助長する」(03年3月7日、土屋敬之都議)と反対しました。

表

■少人数学級

全国で唯一拒否 請願を不採択に

 全国都道府県の中で唯一少人数学級を拒否し、40人学級に固執している東京都。民主党は、都議会文教委員会(5月27日)で、少人数学級を求める請願の採択に自民、公明とともに反対し不採択にしました。06年に30人以下学級を求める請願が採決されたときも、民主党は自民、公明と一緒に反対しました。「ソフトボールができなくなる」(大西さとる都議)などという言い分です。

 しかし、少人数学級実現を求める世論と運動の前に動揺し、選挙直前の6月議会の本会議では請願の不採択に反対するという態度をとりました。

■小児病院

存続を求める請願には反対

 民主党は、清瀬、八王子、梅ケ丘の三つの都立小児病院の廃止・統合の条例に反対しましたが、小児病院つぶしそのものには賛成で、存続を求める請願には反対しています。

 こうした都立病院つぶしの大本にある、病院数を16から8に半減する計画「都立病院改革マスタープラン」(01年12月発表)を自民、公明両党とともに民主党も高く評価しました。

 民主党は「非常によくまとまっている」(04年10月4日、初鹿明博都議)、「抵抗勢力に負けることなく、創造的な医療を構築していっていただきたい」(01年11月9日、土屋都議)といって加担してきました。

■認可保育所増設

都民からの請願ことごとく反対

 子育て世代の切実な願いである、子どもを安心して預けられる認可保育所の増設問題も同じです。

 この4年間にわたって増設を求める請願が都民から出されてきましたが、民主党は自民、公明とともにことごとく反対してきました。

焦点課題も実は…

■新銀行に道開く

設立を「切望」し1000億円出資賛成

写真

 「新銀行東京から、早期に撤退すべき」(東京マニフェスト)という民主党。しかし、「夢とロマンの持てるような新銀行」と持ち上げ、設立を「切望いたします」(04年9月30日の財政委員会で中村明彦都議)と1000億円の出資にも賛成しました。

 全国紙も「民主党にも負い目はある。04年の都議会。新銀行に都が1千億円を出す議案に賛成し、設立への道を開いた」(6月20日「朝日」)と指摘しています。

■築地移転を推進

移転前提の提言 再検討には反対

 「築地市場の移転に民主党はNO!」(東京マニフェスト)とうたっています。しかし、同党は05年度予算要望のなかで、「豊洲新市場の整備にあたっては、できる限り一体的な敷地の確保に努め、市場関係者の意向に十分配慮する」と、豊洲への移転を前提とする提言を行っていました。

 しかも、今年5月にも「計画の再検討」を求める請願の採択に反対しました。

ムダ遣いも推進

■東京外環道

早期着工求める緊急決議あげる

 「コンクリート、ハコモノだけは熱心につくる政治」を第一声で批判した鳩山由紀夫代表。しかし、1メートル1億円という東京外かく環状道路について、都議会民主党の田中良幹事長は、「必要不可欠な道路であり、早期に整備する必要がある」(今年2月24日の代表質問)と主張。

 民主都議9人は自民、公明都議と「建設促進議員連盟」をつくり、早期着工を求める緊急決議(08年12月24日)まであげています。

■豪華海外視察

3年間最高額は民主都議270万円

 民主党は自公両党と同様、豪華海外視察旅行を繰り返してきました。前回都議選(05年)以降3年間での都議1人あたりの最高額は、北欧都市を“視察”した民主党都議の約270万円でした。

 同党のブラジル視察調査(06年)では、日本貿易振興機構(JETRO)職員やサンパウロの東山農場社長の論文を丸写しにした盗作報告書が大問題になりました。

 同党は盗作について「都民に深くおわびします」と謝罪しました。


「有権者だます行為」「党利党略」 内外から批判

 都議会での民主党の与党ぶりは、マスメディアや他党議員からも指摘されています。

 佐々木信夫・中央大教授は「民主もほとんどの(知事提出)議案に賛成しており、共産の指摘のように『立派な与党』と言われればその通りだ」(「毎日」3日夕刊)と指摘。「東京」2日付には、「民主党が都議会でほとんどの議案に賛成していることは、あまり知られていまい。『政権交代を』と叫ぶのは有権者をだます行為ではないだろうか」との投書が寄せられています。

 自民党都議候補は「民主党さん! 新銀行も、築地市場移転も、賛成でしたよね?」とビラに書いています。

 民主党内でも、「都議会民主党は、一貫して『建設的是々非々』を前提にしてきた。それが、突然『反石原』に変わったとは説明もない。仮に説明されても、知事提出議案の多くに賛成した経緯をどうするのか。今更反対とは言えまい」「党利党略と言われても仕方ない」(土屋敬之都議)との声が出ています。



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