2009年7月7日(火)「しんぶん赤旗」
大統領選は「無効」
神学校法学者会議が声明
イラン
イランのイスラム教シーア派聖地コムの神学校法学者会議は4日、最高指導者ハメネイ師が支持した大統領選挙結果を「無効」だとして、新政府を不法な政府と断定する声明をウェブサイト上で発表しました。声明は、抗議行動で拘束された人たちの釈放を求めています。ロイター通信などが伝えました。
声明は、再選されたとされるアハマディネジャド候補以外の「他の候補者らの不満や、不正投票の重大な証拠は無視された」「イラン人の平和的な抗議行動は弾圧され、十数人が殺害され、数百人が不法に逮捕された」と、厳しく政府を非難しています。
声明はさらに、「護憲評議会のお墨付きだけで、選挙結果をどうして正当と認め、次期政権を正統政府と認めることができるのか」と述べています。
コムは首都テヘランの南125キロにあるシーア派の聖地。神学校法学者会議は1979年のイスラム革命を指導したホメイニ師が創設。イランの最も重要な宗教指導者グループとされます。
大統領選挙ではどの候補も支持せず、中立の立場を維持。選挙後の混乱にどういう立場をとるか注目されていました。
同会議の声明は、アハマディネジャド大統領を直接支持した最高指導者ハメネイ師に挑戦したものとして、イランの国政を指導する宗教指導者界の重大な亀裂を示すものとみられています。