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2009年7月5日(日)「しんぶん赤旗」

南京虐殺 名誉棄損勝訴受け会見

「戦争の悲惨さ伝えたい」


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(写真)勝訴確定を受け記者会見する夏淑琴さん(中央)=4日、東京文京区

 1937年の旧日本軍による南京大虐殺で生き残った中国人女性・夏淑琴さん(80)が、『「南京虐殺」の徹底検証』(展転社)という本で「偽の被害者」扱いされ名誉を棄損されたとし、著者と出版社に損害賠償を求めた裁判で、今年2月に夏さん側の勝訴が確定したことを受け4日、夏さんが来日して記者会見で思いを語りました。

 『「南京虐殺」の徹底検証』は「南京大虐殺はまぼろし」などと主張している東中野修道氏が1998年に書いたもの。同氏は、史料に被害者として登場する少女と夏さんは別人で、夏さんはウソの証言をしていると書いていました。勝訴確定で夏さんの証言の正しさが認められました。

 都内で会見に臨んだ夏さんは「大変うれしい。日本の弁護団、支援してくれたみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです」と喜びを語りました。南京で勝訴確定の知らせを聞いたときは子や孫と大喜びしたといいます。

 一方で、被告の東中野氏が一度も法廷に立たなかったことなどに話が及ぶと、涙をぬぐいながら、「一度でも直接あって話したかった。8歳のときに家族7人を目の前で殺され、その後、どんなにつらい思いをしたか。毎日泣いて目が悪くなるほどだった」と訴えました。

 夏さん自身も日本兵にわき腹や背中、肩の3カ所を銃剣で刺されました。その傷跡も示して、孤児として苦しい生活を強いられたことを語りました。

 今後について「虐殺の歴史は死の歴史。私が生きているうちに戦争の悲惨さと平和の大切さをつたえていきたい」と語りました。


 夏淑琴氏名誉棄損裁判 夏淑琴さんが東中野修道氏と展転社を相手に損害賠償などを求めて2006年に提訴。東京地裁は07年、東京高裁は08年、いずれも夏さん側の主張を認め、賠償を命じる判決を出しました。今年2月5日、最高裁第1小法廷が東中野氏と展転社の上告を棄却する決定を出し、夏さんの勝訴が確定しました。


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