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2009年7月4日(土)「しんぶん赤旗」

主張

政治献金疑惑

企業献金頼る党か、断る党か


 東京都議会議員の選挙が始まりました。連続しておこなわれる総選挙とともに、政治のあり方が根本から問われるなかでの選挙です。どの党が暮らしを守り、政治に筋を通すのか、政党の値打ちを見定めることが求められます。

 とりわけこのところ相次いでいる、政治献金をめぐる疑惑の問題は重大です。疑惑の徹底解明を求めるとともに、金権腐敗政治の温床となる企業・団体献金に頼るのかきっぱり拒否するのかが、政党を見きわめる大切な試金石です。

金権体質、自民も民主も

 準大手ゼネコン「西松建設」による小沢一郎民主党前代表や二階俊博経済産業相らへの違法献金疑惑、商品先物会社の与謝野馨財務・金融相への献金疑惑、さらには鳩山由紀夫民主党代表への献金が“故人”など虚偽の名前で届け出られていた疑惑―。一連の政治献金疑惑で浮き彫りになったのは、疑惑は自民、民主の両党に奥深く広がっており、金権腐敗の古い体質を温存している実態です。

 「西松」違法献金疑惑では、政治団体を偽装した企業献金を、小沢氏や二階氏をはじめ自民、民主の多くの政治家が受け取っていました。逮捕・起訴された小沢氏の秘書は、自ら献金を要求し、「西松」が公共事業を受注できるよう「天の声」を出していたことも裁判で明らかになりました。

 商品先物会社からダミーの政治団体を通じて巨額の政治献金を受け取っていた与謝野氏らの場合も、構図は同じです。しかも献金した先物会社は、消費者をだましてたびたび問題になっており、与謝野氏は通産相(現在の経産相)として監督する立場にもあっただけに、とりわけ深刻です。

 鳩山民主党代表の虚偽献金疑惑は、民主党代表としての2代続きの疑惑であるだけでなく、鳩山氏の説明でもまったく解明されず、ことは重大です。名義を偽った献金は2005年からの4年間だけでも約2200万円にのぼります。鳩山氏は「個人献金が少ないので(秘書が)大変だと思いやったのでは」と説明しましたが、個人献金は10年間で6億円にものぼります。虚偽献金の原資は鳩山氏の個人資産だといっていますが、これもなんの証明もありません。説明は完全に崩れています。

 政治資金は政治家の活動を支えるものであり、政治資金規正法は政治活動が「国民の不断の監視と批判の下」に置かれるため、届け出や公開を定めています。どの党のどの政治家であれ、疑惑は徹底してただされるべきです。政治家が所属する政党にも、疑惑の解明と説明の責任が求められます。

禁止求めるなら実行こそ

 一連の政治献金疑惑の根本には、企業献金の問題があります。参政権がなく営利が目的の企業が献金するのは、見返りを求めるからです。企業献金が全面禁止されていないから、政治団体を経由したり、名義を偽ったりの違法・脱法行為がはびこるのです。

 自民党は企業献金を「悪ではない」という立場です。「3年後禁止」をいう民主党も、直ちに受け取りは拒否しません。それどころか自ら提出した「禁止」法案の審議を拒否する、道理ない態度です。

 全面禁止を求め一円も受け取っていない日本共産党は疑惑と無縁です。この党こそ国民の願いを政治に届けることができます。



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