2009年7月2日(木)「しんぶん赤旗」

鳩山民主代表 匿名献金3億円超

10年間で 個人分の6割


 民主党の鳩山由紀夫代表の資金管理団体「友愛政経懇話会」への「匿名の個人献金」が10年間で、約3億3800万円にのぼることが1日、本紙の調べでわかりました。鳩山氏は6月30日の会見で、「故人献金」を含む虚偽献金の背景について、「私への個人献金があまりにも少なかったので、(秘書が)『それがわかったら大変だ』という思いがあった」と釈明しましたが、この説明と実態が大きくかけはなれていることになります。


 「匿名献金」は、政治資金収支報告書に氏名や住所を記載する必要のない5万円以下のもの。同懇話会の1998年〜2007年の政治資金収支報告書によると、年間約2700万円(99年)〜1億1000万円(03年)の個人献金を受け取っています。総額は約5億9000万円。

 このうち、5万円以下の「匿名献金」の総額は約6割に相当する3億3829万3520円にのぼります。約8000万円と最も多い03年の場合、少なくとも千数百人以上の匿名献金があったことになります。しかし、実際に鳩山氏側に献金したのかどうか、第三者が直接確認することはできません。

「出していない」の証言も

 また、鳩山氏側は、故人や献金事実のない人などからの虚偽献金について、05年〜08年の4年間で約90人、193件で、2177万8000円と説明しています。

 本紙の取材に対して、「献金者」からは、「一銭も出したことはない」「献金を頼まれたこともない」という証言が寄せられています。鳩山氏は、真相を明らかにするとともに98年〜04年分についても、虚偽献金がどれぐらいあったのか、さらなる説明が必要です。


「説明責任果たしてない」

市田氏が会見

 日本共産党の市田忠義書記局長は1日、国会内で記者会見し、民主党の鳩山由紀夫代表が政治資金収支報告書に、個人献金のうち約2200万円を虚偽記載していたことについて、「鳩山代表も民主党も説明責任を果たしていない。国民の前に事実を明らかにすべきだ」と強調しました。

 市田氏は、6月30日の鳩山氏の釈明会見で問題を秘書の責任にしたことについて、「昔からことが起こると『秘書が、秘書が』と言われてきたが、秘書を解任して済むという問題ではない」と指摘しました。

 鳩山氏が虚偽記載の理由について「個人献金が少なかったから」などと説明したことについては、「鳩山氏への個人献金は少ないどころか、1998年から10年間で個人献金の総額は5億9千万円だ。このうち匿名献金が6割を占めている。個人献金が少なすぎるというのは不可解だ。明らかになったら困る別の理由があるという疑惑がますます濃くなった」と述べました。

 市田氏は、「昨日の会見では国民はまったく納得していない。ところが岡田克也幹事長は『納得した』といって、真相解明をしようとしていない。解散総選挙が近いもとで、自らきちんと説明責任を果たすべきだし、国会の中でも真相解明をしていくべきだ」と強調しました。

 その際、自民党の与謝野馨財務相の先物取引会社からの献金疑惑や、小沢民主党前代表、二階俊博経産相の西松建設からの違法献金疑惑などもあわせて解明すべきだと指摘。「この問題はどの党にとって有利か不利かという党利党略の問題として考えるのでなく、政治のあり方の問題として考えるべきだ」と述べました。



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