2009年7月1日(水)「しんぶん赤旗」

景気“底打ち”いうけど

求人倍率最低0.44倍
失業率悪化5.2%


 麻生自民・公明政権は景気「底打ち」を宣言したものの、雇用情勢が一段と悪化しています。政府が30日発表した雇用関係の統計で明らかになりました。


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 政府統計によると、5月の有効求人倍率は0・44倍で、調査開始以来の最低を更新しました。正社員の求人は0・24倍で、1年前の半分以下に低下しました。一方、5月の完全失業率は5・2%と前月比0・2ポイント悪化。失業率の悪化は4カ月連続で、過去最悪の5・5%に迫っています。完全失業者数は前年同月比77万人増の347万人。増加幅は過去最大となりました。解雇など勤め先の都合や雇い止めによる失業が増えたためです。

 非正規労働者の失職は依然として増えています。昨年10月から今年9月までの失職者(予定を含む)は22万人を超えました。

 給与は減少しています。5月の現金給与総額は前年同月比2・9%減の26万7395円と12カ月連続のマイナスとなりました。

 政府は6月の月例経済報告で景気の基調判断から7カ月ぶりに「悪化」の表現を削除。「(景気は)底を打ったと強く推定できる」(与謝野馨経済財政担当相、6月17日)と事実上の「底打ち」を宣言しました。理由は、輸出と生産が上向きになったことでした。しかし、製造業を中心に輸出大企業は一段と「雇用調整」を進めており、「(雇用情勢は)さらに厳しさを増している」(厚生労働省)状況です。労働者にしわ寄せすることで、収益改善を図ろうとする大企業の身勝手さに歯止めをかけ、雇用を守る社会的責任を果たさせることこそが求められています。



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