2009年6月27日(土)「しんぶん赤旗」
告発された「クーリング期間」悪用とは?
〈問い〉 マツダが派遣労働者を違法に働かせ、広島労働局の是正指導を受けました。日本共産党の追及で明らかになった「クーリング期間」の悪用とはどういうことですか。(三重・一読者)
〈答え〉 自動車会社のマツダが、派遣労働者を違法に働かせているやり方として問題になっているものです。労働者の告発をうけて、日本共産党の仁比聡平参院議員が昨年12月に、志位和夫委員長がことし2月に、マツダの事例は明らかに違法だとして国会で追及しました。
派遣という働き方は、労働者派遣法で派遣可能期間が最長3年に決まっており、これを超えて働かせるのは違法です。この場合は、直接雇用にしなければなりません。
そこでマツダでは、派遣が3年を超える直前に、その労働者を「サポート社員」と称していったん直接雇用にして、また派遣に戻すというやり方をとって継続して働かせてきました。派遣を受け入れない空白期間が3カ月と1日以上あれば継続した派遣とみなさないという厚生労働省の指針があるからです。これを「クーリング期間」といいます。
マツダは、これを悪用して、派遣労働者を3カ月と1日だけ「サポート社員」に切り替え、「クーリング期間」をはさんだことにして期間制限を逃れて、派遣を継続してきました。
志位委員長の質問にたいして、舛添要一厚生労働大臣は、「『クーリング期間』後に再び派遣労働者として派遣就業させることを予定していると認められる場合には、職業安定法44条で禁止している労働者供給に該当し、違反になります」と答弁しました。そして、こうした「クーリング期間」は適正ではないので、派遣開始から最大3年を経過した時点以降は派遣をおこなうことができないと答え、マツダの行為は違反であることを認めました。
違法なやり方で働かされていた派遣労働者はいま、労働組合を結成し、違法の実態を労働局に申告し、マツダをはじめ会社に直接雇用を要求してたたかっています。(昆)
〔2009・6・27(土)〕