2009年6月27日(土)「しんぶん赤旗」

“公的医療保険へ転換を”

労組などが連邦議会前で集会

米国


写真

(写真)「全米医師連合」の横断幕を持ち、国民が誰でも加入できる制度をと呼びかける医師たち=25日、ワシントン(西村央撮影)

 【ワシントン=西村央】米国での公的医療保険制度の確立を求める集会が25日、医療関係団体や労組などの主催でワシントンの連邦議会近くの公園で開かれ、公的医療保険制度が切実な課題であると確認し、集会後、各議員に要請しました。

 集会は、民間医療保険が中心となっている今の保険制度を、公的な制度へ転換するよう求めているもの。医師や看護師の団体、高い保険料負担に苦しむ中小業者、女性や子どもの権利を守るグループ、米労働総同盟・産別会議(AFL・CIO)傘下の労組などが全米から集いました。

 「全米医師連合(NPA)」の横断幕を手にした医師のシルバーアイゼンスタット氏(40)は、「今この国で求められているのは、全国民が誰でも加入でき、手ごろな値段で質の高い医療を受けることができる医療保険制度だ」と主張し、公的制度がどうしても必要と言います。NPAは2005年に結成された新しい組織で、医師2万人が加盟しています。

 集会では女優のイーディ・ファルコさんが、自営業者やシングルマザーなどからの公的医療保険を求める声を紹介し、「公的医療保険制度は待ったなしの課題です」と訴えました。

 公的医療保険法案を審議中の議員も駆けつけました。シューマー上院議員(民主党)は「国民の大きな運動が議会を動かします。共に力を尽くしていきましょう」とあいさつしました。

 オバマ米大統領は23日の記者会見で、民間保険会社の保険料が9年で倍加して所得の伸びの3倍にもなっており、家計への負担が重いと指摘。「改革は不可欠であり、議会が今後数週間で進展をみせることを希望する」と表明していました。


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