2009年6月27日(土)「しんぶん赤旗」
貧困ない社会へ連帯
ALBA(米州ボリバル代替構想)首脳会議 3カ国が新加盟
中南米の左派政権でつくる米州ボリバル代替構想(ALBA)は24日、ベネズエラ北部マラカイで首脳会議を開きました。会議は、新たに南米のエクアドル、カリブ海のアンティグア・バーブーダ、セントビンセント・グレナディーンの計3カ国の正式加盟を決め、構成国は9カ国になりました。2004年の発足から5年、ALBAは新自由主義を乗り越えた連帯社会を目指して発展を続けています。
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ALBAは、ベネズエラのチャベス大統領が2001年に提唱した地域機構。米国主導の米州自由貿易地域(FTAA)構想に対抗して、中南米の相互支援と連帯の共同を進めることが目的です。
今回の会議で新加盟国は、ALBA加盟によって欧米による植民地主義の傷跡を克服し、地域統合をさらに進める意欲を語りました。
エクアドルのファルコニ外相は、「わが国の加盟は、より連帯的で公正な新しい世界の構築へ寄与する。ALBAの経済協力と補完は、貧困と社会的排除の原因である新自由主義を葬り、人間発展を促す不可欠の要素だ」と述べました。
アンティグア・バーブーダのスペンサー首相は、今後は欧米からの援助と違って「尊厳と主権を犠牲にしない」融資を受けられると指摘。セントビンセント・グレナディーンのゴンサルベス首相は「植民地主義とのたたかいの結果がALBA加盟だった」と述べました。
今回の会議で注目されたのは、ALBAの機能強化のために、機構面の整備に着手したことです。
報道によると、▽3カ月ごとに首脳会議を開く▽政治、経済、社会の各分野の閣僚理事会を毎月開く▽機構の名称を「米州ボリバル同盟」に変更する―を決めました。
4月の首脳会議では、地域共通通貨の創設で合意し、委員会を立ち上げています。チャベス大統領は、一連の決定を紹介し、「ALBAは新しい活力を得た」と語りました。
連帯的な社会を目指すなかで、社会主義の探求が議論されていることも大きな特徴です。
ホンジュラスのロダス外相は、「ALBAは資本主義の商業主義的枠組みから決別する真の選択だ」と強調。ニカラグアのオルテガ大統領は、「ALBAは資本主義への代案であり、われわれは資本主義の束縛を解きつつある」と語りました。
エクアドルのコレア大統領も、「ALBAは社会主義的試み」であり、「北の資本主義が中南米をより弱めることを防ぐ役割がある」と述べました。(島田峰隆)