2009年6月24日(水)「しんぶん赤旗」
非正規「育休切り」正せ
参院委 小池氏、法整備を要求
改正案可決
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3歳未満の子どもをもつ労働者の短時間勤務制度や残業免除制度を企業に義務付ける育児・介護休業法改正案が、23日の参院厚生労働委員会で全会一致で可決されました。
採決に先立ち、日本共産党の小池晃議員は、有期雇用労働者の育児休業について、実際には育休申請したら雇い止めが通告される「育休切り」の実態を示し、正規雇用と同様に取得できる速やかな法整備を求めました。
小池氏は、育児休業を取得した労働者のうち、常用雇用者が約97%に対して有期雇用労働者はわずか3%で、「ほとんど取得されていない」と指摘。さらに「育休切り」が横行している実例として、三菱重工に勤務するAさんのケースを紹介しました。1年単位の有期契約で4年近く働き「いずれ正社員に」と言われていたAさんは、産休前に育休申請をしたら「業績悪化」を理由に雇い止めを通告されました。
小池氏は、Aさんの部署では、新しい派遣労働者も雇い入れ、Aさん以外の同僚はみな契約更新されていることを指摘。「三菱重工のような巨大企業が、育児介護休業法10条違反の『育休切り』をしているとは、企業の社会的責任を果たしているとは到底いえない」と強調しました。
厚労省の北村彰雇用均等・児童家庭局長は「法違反の事案は、指導・助言・勧告により厳正に対処し、是正を図っている。引き続き適正に対処したい」と答弁しました。
小池氏は、厚労省が通達を出していても、三菱重工のような実態があると指摘。有期雇用労働者の育休取得の条件を、1年以上の雇用で取得できる正規労働者と同様にする「法整備を速やかに検討すべきだ」と主張しました。
舛添要一厚労相は「次なるステップが必要であれば、検討のうえ考慮したい」と述べました。