2009年6月22日(月)「しんぶん赤旗」
ロシア核 大幅減の用意
米MD 懸念除去を条件に
アムステルダムからの報道によると、オランダ訪問中のロシアのメドベージェフ大統領は20日、同地での記者会見で、米国がミサイル防衛(MD)計画についてのロシアの懸念を取り除くなら、新条約で大幅な核兵器削減に応じる用意があると言明しました。
米ロ両国は今年12月5日に失効する1991年の戦略兵器削減条約(START1)に代わる新条約の交渉を開始しています。交渉は、オバマ米大統領のプラハでの「核兵器のない世界」演説(4月5日)を受けたもので、来月モスクワで行われる米ロ首脳会議の主要議題となる予定です。
メドベージェフ大統領は「わが国は、核兵器運搬手段をSTART1と比べて数分の一に削減する用意がある」と言明しました。
START1では、大陸間弾道ミサイルなどの核兵器運搬手段をそれぞれ1600基に削減することで合意しています。
またメドベージェフ大統領は、米ロ間で暫定合意された2002年の戦略攻撃兵器削減条約(SORT、モスクワ条約)に言及。「核弾頭数に関しては、モスクワ条約の規定より削減されるべきだ」と述べました。SORTでは、米ロ双方の戦略核弾頭配備数を2012年までに1700〜2200発に削減することを決めています。
メドベージェフ大統領はこの記者会見では詳細を述べませんでしたが、ロシア大統領府のウェブサイトに掲載された声明で、「わが国は米国のMD計画には賛同できない」と表明。「わが国の核兵器削減は、米国がロシアの懸念を取り除いたときに可能となる」と強調しています。
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