2009年6月21日(日)「しんぶん赤旗」

都議選メモ

民主、実態隠して野党ポーズ

テレビでも集会でも

「何を今さら」内外から批判

菅代表代行


 民主党の菅直人代表代行は20日のテレビ東京系「週刊ニュース新書」で、「都政も国政と同じように、自民、公明が過半数で、たとえば新銀行東京の1400億円とか、あの築地(市場)の移転とかを止められない」と述べ、都政での「野党」ポーズをアピールしました。

 しかし、新銀行東京一つとっても、民主党は石原慎太郎知事が打ち出した設立構想を「挑戦に値する取り組みだ」(2004年3月議会)と持ち上げ、設立時の1000億円出資にも賛成。08年3月都議会では400億円の追加出資にこそ反対したものの、乱脈融資で経営危機に陥らせた旧経営陣の参考人招致を求めた日本共産党の動議には、自公とともに反対しました。

 石原都政を全面的に支えてきた与党でありながら、悪政推進の責任を自公両党に押しつけて、“野党”ポーズをとるのは、フェアな姿勢ではありません。

実績は棚に上げ

 18日に東京都豊島区で開かれた民主党の衆院東京10区決起集会で、民主党都議は同党がこの4年間で石原知事の提案の99・3%に賛成したことは棚に上げ、「自民、公明の圧倒的多数により、すべてのことが決められてしまう」(泉谷つよし都議、豊島区)、「都議会は石原都政の追認議会に成り下がってしまった」(野上ゆきえ都議、練馬区)などとのべました。

現職が「党略だ」

 都議会民主党の前総務会長、土屋敬之都議が同氏のブログで、「『反石原』と言うロジックの破綻(はたん)」と題して、自分の党を批判しています。

 「都議会民主党は、一貫して『建設的是々非々』を前提にして来た。それが、突然『反石原』に変わったとは説明もない。仮に説明されても、知事提出議案の多くに賛成した経緯はどうするのか。今更反対とは言えまい」

 「新銀行東京の存続にノー」という都議選マニフェストを掲げる民主党。この問題についても、「確かに新銀行には問題がある。(民主党内に)これを『石原銀行』と書く輩がいる。先入観を挿入するためだ。ところが、新銀行設立には、都議会民主党は『賛成』していることをお忘れか」との意見を開陳。「党利党略と言われても仕方ない」と書いています。

公明「ひきょう」

 民主党の「野党」ポーズについては同じ与党からも批判が出ています。18日の東大和市(選挙区は北多摩1区)で開かれた各党の討論会で、公明党都議が、2004年の都議会で新銀行設立のための1000億円出資に民主党が賛成したと指摘し、「政党としてもっともひきょうな対応をしたのが民主党だ」と批判しました。



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