2009年6月19日(金)「しんぶん赤旗」
職場飲酒後の米兵交通事故
「公務扱い」見直し
日米が合意
共産党が追及
日本に駐留する米軍人・軍属が職場などでの「公の催事」で飲酒をして車で帰宅途中に交通事故を起こしても、日本側に1次裁判権(優先的な裁判権)のない「公務」中の事故とみなすとした日米合同委員会合意(1956年)について、日米両政府が見直しで合意し、協議に入っていることが分かりました。17日の衆院外務委員会理事会で外務省が説明しました。
問題の合意は、米軍人・軍属の住居・宿舎と勤務場所との往復行為も、日本の1次裁判権が及ばない「公務」に含まれ、その際、「公の催事」で飲酒した場合でも「公務」の性格は失われないというもの。国立国会図書館に所蔵されていた法務省のマル秘資料(72年)などで明らかになっていました。しかし昨年6月、法務省の圧力で利用禁止になり、11月に一部が閲覧可能になったものの、同合意をはじめ重要な部分は黒塗りにされ、隠されていました。
日本共産党の赤嶺政賢議員が今月10日の衆院外務委員会で、法務省マル秘資料の同合意に関する黒塗り部分を明らかにするよう要求。17日の衆院外務委員会理事会で外務省が該当の記述を示しました。加えて、この間、「公の催事」での飲酒後の帰宅で「公務証明書」(注)を発行した例はなく、合意は「死文化」しているとして、米側と見直し協議に入っていることを明らかにしました。見直しが実現すれば、「公務」外の事故として日本が1次裁判権を持つことになります。
外務省は、同合意以外の黒塗り部分についてもできる限り公表する方向で米側と協議中であることも明らかにしました。
公務証明書 「公務」中の事件・事故であることを記載した米軍の証明書
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