2009年6月13日(土)「しんぶん赤旗」
原爆症認定
全面解決へ具体策を
厚労省前 原告ら座り込み終わる
「麻生首相は決断せよ」。たすきをかけ、横断幕を掲げた原告、被爆者らが、厚生労働省に向かってこぶしをつきあげました。原爆症認定集団訴訟の原告らが、訴訟の全面解決を求めて厚労省前の日比谷公園(東京都千代田区)でおこなっていた座り込みは12日、4日間の昼夜にわたる行動を終えました。この日は原告、被爆者60人、支援者20人が参加しました。
国は先月末の東京高裁判決への上告を断念しましたが、全面解決に向けた具体策を示していません。
座り込み終了にあたり、テント前で開かれた集会で、全国原告団の山本英典団長は「座り込みの最大の成果は、上告を断念させたことだ」とのべ、認定基準の拡大や、原爆被害に対する国家補償へと道を開きつつあると強調。原告全員救済と認定基準の再改定にむけ、引き続きたたかうと表明しました。
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中熙巳事務局長は「全国の被爆者がさらに団結し、訴訟の解決に向けて大きな運動を展開しよう」とよびかけました。
参加した原告らは、「一刻も早く認定を」「基準で積極認定する病気を増やしてほしい」と訴えました。日本共産党の谷川智行衆院東京比例候補が座り込みを激励。同日、原告らは、麻生太郎首相と舛添要一厚労相に訴訟の全面解決を求める5万6000人余の署名を厚労省に提出しました。