2009年6月11日(木)「しんぶん赤旗」
「アフガン戦争長期化」
米国防長官が見解
米上院小委“安定に1年半必要”
【ワシントン=西村央】ゲーツ米国防長官は9日、上院歳出委員会国防小委員会の公聴会で、対アフガニスタンでの新戦略で安定化がはかられるのは今後1年から1年半の間になると述べ、米軍が増派した後も、アフガンでの戦闘が2010年末近くまで続く可能性があるとの見方を示しました。
この日の公聴会でゲーツ長官は、オバマ政権が打ち出した国際テロ組織アルカイダ制圧での軍事攻撃強化と、非軍事を含めた国際協力でアフガンの経済復興をはかるという二つの面を持った新戦略について、機能し始めるには「1年から1年半を要する」と指摘。最近の戦況が悪化していることも表明しました。
マレン米統合参謀本部議長もこの公聴会で、「アフガンでの暴力を抑えるには、今後1年から1年半を要する」と、戦闘が続くとの見解を表明しました。
米軍は今年になってからアフガンに2万4000人の増派をし、現在、5万6000人が駐留。来年初めまでには6万8000人まで増やす計画です。しかし、この日の国防長官と統参議長の証言は、増派後もすぐには効果が発揮されないとの見解を示したもので、アフガン戦争がさらに長期化する様相となっています。