2009年6月10日(水)「しんぶん赤旗」
アフガン民間人殺害
米側に“問題あった”
国防総省報道官が指摘
【ワシントン=小林俊哉】米国防総省のモレル報道官は8日の記者会見で、アフガニスタン西部ファラー州で米軍による空爆のため多数の民間人が死亡した事件について、米軍の行動に問題があったと述べました。同報道官は「戦術、技術、手続きなどの点で問題があった」と指摘しました。攻撃目標が適切かどうかの確認をしないまま、B1戦略爆撃機によって作戦を実行したと述べました。
この空爆は、タリバンを掃討するとの名目で行われたもの。アフガン側は140人の犠牲が出たと主張。米軍は死者は最大95人で、そのうち民間人は20〜35人だと主張しています。
アフガンのカルザイ大統領は、民間人死傷者が後をたたないことから、米側に空爆の中止を要求していますが、米側は拒否しています。
米国防総省がアフガンでの米軍の攻撃に問題があったことを公式に認める発言をしたのは初めて。モレル報道官は一方で、米軍などの空爆による民間人死傷者は、タリバンの攻撃による死傷者より少ないとも述べました。