2009年6月10日(水)「しんぶん赤旗」

原爆症集団訴訟

18連勝の運動に確信

被団協総会始まる


 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の第54回総会が9日、東京都内で始まりました。2日間の日程です。


 この日、原爆症認定集団訴訟で未認定だった原告9人を新たに原爆症と認定した東京高裁判決について、政府が上告断念を表明。総会では、集団訴訟の全面解決へのとりくみを土台に、原爆被害への国家補償の実現や、核兵器のない世界への展望を開く運動について討論します。

 あいさつした代表委員の藤平典さんは、オバマ米大統領がチェコのプラハで「核兵器を使ったことがある唯一の核兵器保有国として、米国には行動すべき道義的責任がある」と演説したことを評価。また、6年にわたる原爆症認定集団訴訟が18連勝していることにふれ、これらの背景に、被爆者と国民の「ふたたび被爆者をつくるな」との願いとたたかいがあったと強調しました。

 集団訴訟の一括解決にむけて、特別報告した宮原哲朗弁護士は、18回にわたり裁判所が原告勝訴の判決を出した根底には、被爆から60年を超えてもなお苦しみ続け、殺され続ける被爆の実相と核兵器の恐ろしさを明らかにしたことがあるとのべました。原告全員の救済、判決に従った認定基準の改定を勝ち取るまで集団訴訟のたたかいは終わらないと訴えました。

 田中熙巳事務局長が、「2009年日本被団協総会議案―今こそ『核兵器のない世界』への展望を開く年に」などを提案しました。

志位委員長がメッセージ

 総会には、日本共産党の志位和夫委員長がメッセージを寄せました。

 メッセージは、「ふたたび被爆者をつくるな」とのたたかいが世界に新しい動きをつくりだしていると強調。オバマ米大統領が核兵器使用についての「道義的責任」にたち、核兵器のない平和な世界を追求すると明言したこと、その演説を歓迎し、核兵器廃絶を主題にした交渉開始のイニシアチブを求めた委員長自身の書簡とそれへの米政府の返書にふれて、ともに、「核兵器廃絶への確かな一歩がふみだされたことを喜び合える日が一日も早くくるよう、全力をつくす決意」を表明しています。

 原爆症認定問題をめぐるたたかいでも、18連勝を重ね、政府を大きく追い込んでいると強調。病に苦しみながら、被爆の実態を明らかにし、国の原爆被害わい小化の誤りを明らかにしてきたたたかいは、被爆国日本政府の「核の傘」への固執を許さず、核兵器のない平和な世界の実現につながる運動だとのべ、「今度こそ、原告全員の救済、認定基準の再見直しなど集団訴訟の一括解決を勝ち取りましょう」と、ともに奮闘する決意を表しています。



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