2009年6月7日(日)「しんぶん赤旗」
個人の意思尊重して
臓器移植法改正案で高橋氏
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日本共産党の高橋ちづ子議員は、臓器移植法改正案の審議が行われた5日の衆院厚生労働委員会で、本人意思がなくても家族が提供を決められるというA案について、「臓器提供意思カード」を持たない「消極的拒否」など、個人の意思を尊重すべきだと指摘しました。
同「カード」は1億2000万枚以上が配布されている半面、所持者は800万人にとどまっています。日本臓器移植ネットワークの「臓器提供意思登録システム」(2007年3月から運用)に提供意思を登録しているのは、4万376件(08年度末現在)で、拒否の意思表示は488件(同)です。高橋氏は、「拒否を含め、意思表示する人をもっと増やしていくことが(法改正の)大前提ではないか」と述べました。
また高橋氏は、小児救急医療体制について、小児救急専門病床は6施設19床、小児集中治療室は15施設160床しか整備されていないことを指摘。「救命救急をおこなうことがまず大前提で、救える命を救うべきだ」と述べました。舛添要一厚労相は、「小児集中治療室(PICU)の整備を含め、小児の命を救うことに全力をあげたい」と答えました。
高橋氏は、専門施設を備え脳死判定ができる小児病院は現在、一つしかないと述べ、条件整備がないままでは、期待を裏切り、混乱が生じるだけではないかと強調しました。