2009年6月6日(土)「しんぶん赤旗」
8中総
世界経済危機と社会主義勢力の「発展戦略」
不破社研所長 日中理論交流について報告
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不破哲三社会科学研究所所長は、日本共産党第8回中央委員会総会(4日)で、4月に北京で行われた第3回日中理論会談の内容と意義について報告しました。
不破氏は冒頭、今回の理論会談は2005年(東京)、06年(北京)に次ぐ3回目のものだが、交流の節目となる発展があったとし、中国側が提起した21項目の質問に答えながら、現在の世界経済危機と社会主義の勢力のこの危機への対応をめぐって会談で意見をかわした内容を、いくつかの中心点にしぼって説明しました。
その中心点は次のとおりです。
―現在の世界経済危機の性格をどうとらえるか。
―それを解明する上でマルクスの恐慌理論の意義。
―レーニンの『帝国主義論』は現代に有効性をもつか。
―新自由主義と現在の経済危機の関連をどうとらえるか。
―ヨーロッパの「社会的市場経済」をどう見るか。
―経済危機は、世界の経済構造にどんな影響を与えるか。
―資本主義諸国の社会主義運動がとるべき発展戦略はなにか。
―ラテンアメリカの左翼政権と社会主義運動との関係。
―経済危機のもとでの中国などがとるべき発展戦略をどう見るか。
不破氏は最後に、中国共産党との関係を正常化してから11年の歴史をふりかえり、それぞれの両党の理論体系は、その党の歴史のなかで形成されてきたものであり、違った特徴をもつのは当然だが、「社会主義をめざす精神およびマルクス主義(科学的社会主義)を理論的指針とする意欲」という共通の土台があるかぎり、互いの接近は可能であり、そのことを11年間の交流の経験が示している、と指摘。13億の人口をもつ中国の執政の党である中国共産党と、発達した資本主義の世界の前線で活動している日本共産党との理論交流は、今日の激動する世界のなかで特別の意義をもっていることを強調しました。