2009年6月5日(金)「しんぶん赤旗」
「ルールある経済社会」「自主・自立の平和外交」
日本の進路示す旗印高く
日本共産党第8回中央委員会総会開く
歴史的総選挙に総決起を
志位委員長が幹部会報告
日本共産党は4日、党本部で第8回中央委員会総会を開きました。会期は2日間。目前に迫った総選挙をたたかう政治戦略と活動方針を明らかにし、意思統一をはかることが主題です。幹部会を代表して志位和夫委員長が五つの柱で報告し、「21世紀の日本の進路が問われる歴史的選挙戦で、国民の立場にたって『日本をこう変える』という進路を高々と掲げる日本共産党の勝利を必ずかちとろう」とよびかけました。この日は、14人が発言、不破哲三社会科学研究所所長(常任幹部会委員)が、先の中国共産党との理論会談(4月20〜24日)について報告しました。
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志位委員長は、日本経済のあり方が根本から問われ、世界が大きく変化しつつあるもとで行われる今度の総選挙は、「21世紀の日本の『進むべき道』が問われる歴史的選挙」と強調。日本共産党は、(1)国民の生活と権利を守る「ルールある経済社会」を築く。そのために異常な財界・大企業中心の政治を転換する(2)憲法9条を生かし、世界とアジアの平和に貢献する「自主・自立の平和外交」に転換する。そのために異常な「軍事同盟絶対」の政治から脱却する―という二つの「旗印」を高く掲げて選挙にのぞむとのべました。
この点で、自公政権も民主党も、「二つの政治悪」―異常な大企業中心の政治、異常な「軍事同盟絶対」を共有しているため、国民の前に何ら「旗印」も示しえないと指摘。世論調査でも圧倒的多数の国民が政治への不満の理由に「社会の将来像を示していない」ことをあげていることも示して、「きたるべき総選挙を、こうした国民の気持ちに寄り添い、ともに日本の進路を探求する選挙にしよう」とよびかけ、二つの「旗印」についてそれぞれ詳述しました。
二つの「旗印」
第一は「ルールある経済社会」の問題です。志位氏は、経済危機にたちむかう政治の基本姿勢として重要なことは、何をさておいても国民の暮らしを守ることを最優先の仕事にし、社会の仕組みとして国民生活を守る防波堤を築くことにあると力説。雇用、社会保障、税金のあり方の三つでその考え方を明らかにするとともに、日本の経済社会の異常なゆがみの根源が財界・大企業の号令でつくられたことを解き明かしました。そして、「財界・大企業にモノが言える党」・日本共産党がのびてこそ国民の暮らしを守り、「ルールある経済社会」を築く最もたしかな力になると強調しました。
第二の旗印「自主・自立の平和外交」の問題では、アメリカ一国覇権主義にかわる新しい世界秩序への流れが大きく広がりつつあること、アメリカでも、オバマ大統領が「核兵器のない世界」を宣言し、その具体的行動を要請した日本共産党書簡に対し米政府が返書を送るなど、変化が起こっていることを紹介しました。
志位氏は、アメリカに前向きの変化を促した根本の力は平和を願う世界諸国民のたたかいであり、核兵器問題の帰すうを決めるのも世界諸国民のたたかいだと強調。核廃絶をめざす国際署名に大いに取り組もうとよびかけました。
世界が大きく変化しつつあるもとで問われているのは日本外交のあり方です。麻生自公政権は「軍事同盟絶対」論にたち、アメリカの前向きの変化が目に入らず、悪いところだけ従属しているのに対し、日本共産党は核兵器廃絶問題での行動が示すように、世界の前向きの変化に働きかけそれを促す「自主・自立の平和外交」に取り組んでいる政党であることを強調しました。
共産党の値打ち
志位氏は、二つの「旗印」で21世紀の日本の進路を大きく語ることと一体に、日本共産党の値打ちの全体像を多面的に押し出すことが重要だとして、この間の情勢の進展にそくして4点をあげました。
第一。財界・大企業、アメリカへの働きかけなど、実際の行動によって現実政治と切り結び、初歩的であってもそれを動かす仕事に取り組んでいる党。
第二。草の根のたたかいと共同して日本の前途を切り開く党。
第三。「二大政党」による悪政の競い合いの危険に、正面からたちむかう唯一の党。
第四。資本主義を乗り越える未来社会への展望をもっている党。
このなかで、自民、民主の「二大政党」の問題点について、両党の間で政治の中身に違いがないだけにとどまらず、両党の共通部分こそ問題であること。すなわち、同じ古い政治の枠組みのなかで競い合って悪政を進めているところに、日本の政治にとっての重大な危険があると指摘。その実態を消費税増税、自衛隊の海外派兵、比例定数削減の競い合いなどで明らかにし、国民の利益にたって、正面から立ちはだかる政党は日本共産党をおいてほかに存在しないことを訴えました。
活動の到達点に確信もち、7月3日を節に飛躍を
志位氏は、総選挙・都議選勝利をめざす活動方針について、これまでの諸決定をふまえつつ、総選挙を目前にひかえてとくに強調すべき点にしぼって報告しました。
とくに、5中総(07年9月)以降の活動で積極的な流れをつくり出していることに深い自信と確信をもつことが大切だとして、(1)「綱領を語り、日本の前途を語り合う大運動」の前進(2)全自治体・行政区の演説会・「つどい」の開催努力(3)党員拡大での19カ月連続前進―をあげました。
同時に、「これまでの活動の延長線上では、勝利の保障はない」として、対話・支持拡大の運動がまだ全有権者を対象としたダイナミックな運動とはなっていないこと、「しんぶん赤旗」の読者拡大が前回総選挙時比90%程度にとどまっている状況を直視するよう訴えました。
そのうえで志位氏は、「総選挙勝利をめざす党の活動方針の飛躍をどうしてもかちとる必要がある」とのべ、7月3日の都議選告示日を一つの節として、それまでの約1カ月間に、(1)全有権者規模での宣伝強化、対話・支持拡大を飛躍の軌道にのせる(2)「大運動」をさらに発展させる(3)党員拡大と読者拡大で飛躍をつくる―をやりきり、さらに活動を発展させることを中央委員会総会としてよびかけました。
そして、これらをやりとげるには全支部・全党員の総決起こそ最大のかぎだとして、全国のすぐれた経験から学ぶべきことを3点にわたってあげ、選挙勝利に向けた活動の諸課題を提起。歴史的選挙に向けてすべての党員がその初心にたって立ち上がろうとよびかました。