2009年6月4日(木)「しんぶん赤旗」
マリコン献金2億8300万円
ダミー団体 自民運輸族中心に
本紙が明らかにした海洋ゼネコン(マリコン)関係者でつくるダミー(隠れみの)政治団体「さんそう会」(旧港栄会)による二階俊博経済産業相側らへの多額の献金。その額は3億円近くにのぼり、運輸族に巨額資金が注がれた癒着の実態が浮き彫りになっています。(矢野昌弘)
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2000〜2007年の政治資金収支報告書によると、同会は自民党議員らに8年間で総額2億8300万円もの献金をしています。二階氏が「新しい波」を立ち上げた03年の献金は、総額6500万円にものぼりました。
献金の大半は、自民党国会議員3人の政治団体や政党支部に集中していました。
二階氏が代表の「新しい波」には03年に3千万円、07年に1千万円の献金が行われ、8年間で計4千万円。
「新しい波」事務総長の泉信也元国家公安委員長(自民党参院議員)の政治団体や政党支部には計5150万円、渡辺具能元国交副大臣(同党衆院議員)側には計8500万円を献金していました。
献金を集中する理由について、「さんそう会」関係者は本紙に「だれに献金をするか、理事会で話し合って決めた。マリコン業界の仕事を得ようと、業界に少しでも理解のある人に献金してきた」と話しました。
3人はいずれも港湾関係の自民党運輸族議員です。泉氏と渡辺氏は、マリコン業界とかかわりの深い旧運輸省港湾局OB。二階氏は旧運輸相を歴任した運輸族議員です。二階氏は海上に人工島をつくった関西国際空港建設で大きな役割を果たしたとされます。
マリコンが得意とするのは埋め立て・浚渫(しゅんせつ)工事。同会の代表を送り出した東亜建設工業や五洋建設の受注実績を見ると、浚渫工事額の8割以上が公共事業によるものでした。
本紙の報道で「新しい波」への03年の3千万円献金が二階氏側からの要請だったことが明らかになりました。公共事業と密接な関係にある業界の政治団体と、その資金に頼る政治家との癒着の解明が求められます。
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