2009年6月4日(木)「しんぶん赤旗」
宇都宮事業所 非正規の5人
“勤続9年 正社員に”
キヤノンを提訴 東京地裁
キヤノン宇都宮光学機器事業所(宇都宮市)の偽装請負を告発し、期間社員になっていたキヤノン非正規労働者組合の組合員5人が3日、同社を相手取り、正社員化などを求める訴訟を東京地裁に起こしました。
組合は2006年10月に偽装請負を告発し、栃木労働局が07年に同社を是正指導。同年10月から最長2年11カ月雇用の期間社員として採用されました。組合は正社員にするべきだとして異議をとなえた上で応じました。
しかし、今年3月以降、減産を理由に期間社員だけが休業させられ、月収は従来の半分の10万円にされているため生活不安が強く、雇い止めのおそれもあることから提訴したものです。
訴状によると、原告は最長で9年も勤続。偽装請負から派遣、再び偽装請負にされて就労しており、職業安定法や労働者派遣法に違反して請負や派遣契約は無効だと指摘。同社と原告の間には「黙示の労働契約」が成立しているとして正社員であると求めています。
都内で記者会見した宇都宮支部の大野秀之支部長(34)は、同社が正社員化を求める団体交渉を拒否しており、休業は組合つぶしの狙いがあると批判。「9年間、正社員と同じように働き、家族をもって暮らしてきた。景気が悪いからと放り出されては生きていけず、許すわけにはいかない。キヤノンとたたかい、何としても正社員化を勝ち取りたい」と話しました。