2009年6月2日(火)「しんぶん赤旗」
二階派団体は不起訴
パーティー券代 西松から838万円
東京地検
二階俊博経済産業相が代表を務める自民党二階派の政治団体「新しい波」が、西松建設のダミー(隠れみの)団体からパーティー券代838万円の支払いを受けたとされる政治資金規正法違反容疑の告発について、東京地検特捜部は1日、当時の会計責任者だった泉信也参院議員(二階派事務総長)や担当者を嫌疑不十分で不起訴処分としました。
特捜部は「西松建設からの献金との認識があったとは認められない」としました。
告発していたのは、政治資金オンブズマン共同代表で憲法学者の上脇博之神戸学院大学教授ら36氏。
告発状では、違法献金を意図的に隠ぺいしたことは「極めて悪質である」として、政治資金収支報告書に虚偽の記載をした政治団体と政党支部の各役員、会計責任者を逮捕し、起訴すべきだと求めていました。
解説
極めて不当な判断
東京地検特捜部が、自民党の二階俊博経済産業相側への西松違法献金について「西松建設からの献金との認識がなかった」として関係者を不起訴処分としたことは、極めて不当な判断です。
民主党の小沢一郎前代表の公設秘書を摘発した際、検察側は、ダミー(隠れみの)政治団体を利用して献金を受領する行為にたいして、政治資金規正法を踏みにじるものと指弾しました。二階氏側のケースもこれとまったく同様のはずです。
しかも、西松建設自身が内部調査報告書でダミー団体を使った狙いについて、「政治家個人の政治団体等に献金することを画策」したと認めています。当然、二階氏側も認識していたことになります。
二階氏は、いまだに国民が納得のできる説明をしていません。検察が不起訴処分にしたからといって、二階氏側の疑惑が払しょくされないことはいうまでもありません。(森近茂樹)