2009年6月1日(月)「しんぶん赤旗」
アラブ和平案の完全実施
パレスチナ議長が要求
【カイロ=松本眞志】パレスチナのアッバス自治政府議長は30日、エジプトの首都カイロでムバラク大統領と会談し、直前に行った訪米について説明しました。
訪米中、オバマ大統領はアッバス氏に対し、人口「自然増」を含むユダヤ人入植地拡大を認めないとの立場を表明しています。
パレスチナのマアン通信によると、アッバス氏はムバラク氏との会談後の会見で、ヨルダン川西岸地区でのユダヤ人入植地拡大の停止、イスラエル・パレスチナの2国家共存を前提とするイスラエルとの和平交渉再開を主張しました。
アッバス氏は、イスラエルのネタニヤフ政権が「前提条件なし」の和平交渉再開を要求して2国家共存や入植地拡大、エルサレム帰属などの問題を避けていると批判。「『2国家共存』と『入植地拡大凍結』は前提条件ではない。これらはパレスチナ解放機構(PLO)とイスラエルが過去に合意した中東和平ロードマップ(行程表)で確認されており、われわれは合意の実現を要求しているにすぎない」と述べました。
同氏はまた、将来のパレスチナ国家がイスラエルの占領地からの完全撤退によってはじめて実現するとし、中東包括和平構想(アラブ和平案)のいかなる修正も認めないと訴えました。