2009年5月30日(土)「しんぶん赤旗」

新銀行東京 赤字105億円

3月期決算 中小融資比率30%に減


 昨年四月に東京都から四百億円の追加出資を受けて破たんを先送りした新銀行東京(本店・新宿区)は二十九日、二〇〇九年三月期決算を発表し、この一年間に百五億六千五百万円の純損失をだしたことを明らかにしました。開業後、四年連続の赤字決算となり、三月末の中小企業に対する貸し出し比率は昨年同月の40・8%から30・6%へと大幅に低下しました。

 同行の決算資料によると、国債などの売却益二十億円を計上したものの、一般貸倒引当金繰入れ前の実質業務純益は二十七億円の赤字となり、不良債権処理で百三十五億円を計上しました。

 同行がこの一年間に行った新たな融資は四百七十三億円で、このうち中小企業向けは二百十億円(44・4%)にとどまりました。

 三月末の融資残高は千六百八十四億円で、このうち中小企業向けは五百十六億円と30・6%にすぎず、開業一年目(〇六年三月期)の62・5%の半分以下に落ち込みました。

 津島隆一代表執行役(元東京都新銀行設立本部長)は同日、日銀で行った会見で、「経営再建は着実に図られてきている」としたものの、中小企業への融資比率については「十分満足した状況だとは考えていない」と語りました。

 日本共産党都議団は新銀行に一貫して反対し、一刻も早く銀行経営から手を引くよう主張、都民の税金をむだにした石原知事と「オール与党」の責任を厳しく批判しています。


 新銀行東京 石原慎太郎知事のトップダウンで都が一千億円を出資して二〇〇五年に開業。昨年三月期決算で破たん状態に陥ったため、同四月に都から四百億円の追加出資を受け、経営再建中。昨年八月、累積赤字千十六億円を減資で処理し、都の当初出資額のうち約八百五十五億円を棄損しました。一千億円出資は自民、公明、民主の都議会「オール与党」が賛成、追加出資は自民、公明が賛成し可決しました。



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