2009年5月30日(土)「しんぶん赤旗」

輸出大企業 生産上昇

雇用は最低水準 家計低迷も最長

4月統計


 政府が二十九日発表した経済統計によると、雇用情勢は一段と悪化し、個人消費が低迷しています。一方、鉱工業生産は持ち直し始めています。輸出大企業を中心に「在庫調整」「雇用調整」を急激に進めた結果、生産は上昇に向かい始めたものの、労働者と家計に大打撃を与えていることが分かります。


求人倍率は最悪

 四月の完全失業率は5・0%と、五年五カ月ぶりに5%台に達しました。四月の有効求人倍率は〇・四六倍と過去最低(一九九九年五、六月と同水準)を記録しました。このうち「正社員」は〇・二七倍と前年同月の半分に落ち込みました。自動車、電機など製造業での雇用破壊が目立ち、昨年十月から今年六月までに失職する非正規労働者は約二十一万六千人となりました。

 雇用悪化は家計に波及しています。四月の家計調査によると、一世帯当たりの消費支出は三十万六千三百四十円となり、実質で前年同月比1・3%減。十四カ月連続のマイナスとなり、過去最長を更新しました。

 一方、四月の鉱工業生産指数は前月比5・2%上昇し、二カ月連続プラスとなりました。企業の在庫調整が進み、自動車など輸出産業を中心に生産が回復傾向を示しました。

 政府は五月の月例経済報告で、景気の基調判断を「このところ悪化のテンポが緩やか」とし、前月の「急速な悪化が続く」から上方修正しました。しかし、下げ止まりつつあるのは生産などで、雇用情勢はいっそう悪化していることを、政府統計は裏づけました。

 雇用指標の急激な悪化について、政府は「大変残念」(与謝野馨財務・金融・経済財政相)、「(雇用情勢は)依然として厳しい」(舛添要一厚生労働相)としていますが、大企業に雇用を守る社会的責任を果たさせる指導・監督こそが求められています。

表
グラフ


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