2009年5月29日(金)「しんぶん赤旗」
主張
都議選間近
暮らしと政治の大事な選択
東京都議会議員選挙の告示(七月三日、投票は同十二日)が、間近に迫りました。
国民の十人に一人が暮らす首都・東京での議員選挙は、都民だけでなく国民の暮らしにとっても重要な影響を持つ選挙です。どちらが先になっても九月までには必ずおこなわれる衆院の総選挙や、二年後に迫った都知事選とのかかわりでも、政治の行方を左右する大事な選択の機会です。
「逆立ち」都政をただす
不況で希望者が急増しているのに認可保育所が足りない、老人医療費の助成が切り縮められ子どもの病院もつぶされようとしている、東京は財政が豊かなのに全国でただひとつ少人数学級が実現していない―。都民の間で都政への不満と要求が渦巻いています。
戦後最悪の不況のなかで、住民の暮らしがきびしいのは全国どこでもいっしょです。ところが、そんなときこそ暮らしを守る「防波堤」にならなければならない都政が、福祉と暮らしを犠牲にし、その役割を果たしていないのです。
東京では石原慎太郎氏が知事になってからのこの十年間、自民、公明、民主などが「オール与党」となり、全国でも異常な「逆立ち」都政が続いてきました。
「何がぜいたくかといえば、まず福祉」と公言する石原知事が最初にやり玉にあげたのが福祉です。それもかつての革新都政時代には全国でもっともすすんでいた高齢者医療など老人福祉が狙われました。老人医療費の助成廃止やシルバーパスの有料化などで、予算に占める老人福祉費の割合は十年前の全国二位が四十七位と、全国最下位にまで落ち込みました。
都立病院のための予算も、不足する特養老人ホームのための予算もカットされました。都内に三つある都立小児病院を廃止する条例も強行されました。石原都政の福祉切り捨てに手を貸してきた、「オール与党」の責任は重大です。
福祉や医療を切り捨てる一方、石原都政がこの十年間すすめてきたのは、経営破たんで都民の税金をドブに捨てる結果になった「新銀行東京」の設立や、東京オリンピックを看板にした一メートル一億円以上といわれる外郭環状道路建設など巨大開発です。「オール与党」は「(新銀行には)夢がある」などと持ち上げ、乱脈融資の穴埋めへの税金投入も認めてきました。
都政が都民の暮らしを守る役割を果たしていないのは、お金がないからではありません。一メートル一億円の道路七百四十メートル分で削られた高齢者福祉を復活させ、九十一メートル分で三十人学級が実現できます。「逆立ち」都政をまともに変えれば福祉も暮らしも充実できます。
自公民か、日本共産党か
都議選は都政を変え、都民の切実な要求を実現する大切なチャンスです。都議選で「オール与党」の自公民を減らし、石原都政と対決してきた日本共産党が伸びれば、都政を変える道が開かれます。
日本共産党はこれまでも、「草の根」の運動と共同し、子どもの医療費の無料化や認可保育所の増設など都政を動かしてきました。日本共産党の力が都議会で大きくなれば必ず、都政の力を都民のために生かすことができます。
選挙戦は都議選も総選挙もラストスパートです。日本共産党を躍進させ、福祉・暮らし優先の新しい政治の流れを前進させましょう。
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