2009年5月27日(水)「しんぶん赤旗」
OIC外相会議閉幕
「対テロ戦争」の誤り指摘
【カイロ=松本眞志】シリアの首都ダマスカスで開催されていたイスラム諸国会議機構(OIC)第三十六回外相会議が二十五日、参加国による最終宣言を採択して閉幕しました。
宣言は、過去数年間のブッシュ前米政権の「対テロ戦争」を念頭に、「文明間の衝突」の名でイスラム教とテロを結びつける誤った現象が現れたと指摘。イスラム諸国と域内住民の利益と権利を擁護するためにOICが有効な役割を果たすことを強調しました。またテロについて、占領に対する抵抗と区別すること、テロを安全保障の面からだけでなく、思想、政治、文化との関連に着目してその根源に対処する必要を訴えました。
宣言はまた、緊急の課題としてイスラエル・パレスチナ紛争を取り上げ、ヨルダン国王が四月に中東包括和平構想(アラブ和平案)の適用範囲をOIC加盟国に広げると提起したことについて、「イスラエルの犯罪行為に報償を与えることを意味するものではない」と説明。イスラエルが占領するパレスチナ、シリア領ゴラン高原、レバノン領シェバ農場からの撤退、これらの地域での国家主権の確立がOIC加盟国との関係正常化の絶対条件であると主張しました。