2009年5月26日(火)「しんぶん赤旗」
宇宙軍拡の動き議論
非核の政府の会が会合
非核の政府を求める会は二十五日、核問題調査専門委員会の拡大会合を東京都内で開きました。日本の宇宙開発を軍事分野に拡大する、政府の宇宙基本計画策定の動きについて議論しました。
講師として会合に招かれた、世界平和アピール七人委員会の小沼通二(こぬま・みちじ)事務局長(慶應義塾大学名誉教授)が、宇宙軍拡の動きを報告しました。日本の宇宙開発が「平和利用」や「自主・民主・公開」の原則を定めた国会決議でスタートした歴史を説明。今回の基本計画について「国際緊張を高めて、攻撃を誘発する。国民生活水準を切り下げ宇宙分野で軍事費に使う、日本壊滅への道だ」と述べました。
委員らは、気象衛星が軍事動員される可能性や、機密保護制度など「公開」に逆行する動きが進行している問題、軍事衛星を使ったミサイル防衛(MD)システムの危険性などについて討論。「平和憲法や宇宙の平和利用原則など、日本の国民の良識は進んでいる。宇宙開発の計画の問題も正しく理解すれば運動は前進できる」「声を上げ、国民に知らせていくことが大切だ」といった意見が出ました。
世界平和アピール七人委員会 ノーベル賞受賞者の湯川秀樹博士らが参加して一九五五年に結成した、知識人による意見表明の会。各界の七人の委員で構成され、日本国憲法の平和主義にもとづく訴えや、核兵器廃絶の呼びかけなどをおこなっています。宇宙の軍事利用に反対する立場から、二〇〇七年と〇八年にアピールを発表しました。