2009年5月24日(日)「しんぶん赤旗」

社員5人の解雇無効

メイコーなどに 賃金支払い命じる

甲府地裁


 昨年十二月に山梨県甲斐市にある半導体装置製造会社「メイコー」と子会社「メイコーエンジニアリング」から一方的に解雇された正社員五人が「解雇は無効」として賃金の支払いなどを求めていた仮処分申請で、甲府地裁(太田武聖裁判長)は二十二日、「解雇権の乱用で無効。(会社の)解雇回避努力は十分であったとはいえない」として五人の主張を認め、解雇後の賃金(約四百万円)を支払うよう会社側に命じました。

 勝利したエンジニアリング社員の女性(54)は「苦しかったが主張が認められてほっとしている。仕事をしないと生活が成り立たず一日も早く復帰したい」と話しました。

 原告側の関本立美弁護士は記者会見で「中堅企業として県内最初の大量首切り(二十六人)を行った両社に、不況を口実にした一方的解雇を認めず解雇回避の努力を求めた内容で、意義は大きい」と述べました。さらに「メイコー」が山梨県から雇用奨励を目的とした産業集積促進助成金八千七百万円を受けている企業だと指摘し、「助成された企業が雇用努力をしないなら、県民の税金がムダに使われたことになる」と批判しました。

 「メイコー」による正社員切りについては日本共産党の小越智子県議が昨年十二月議会でとりあげ、同助成金交付要綱のなかで、事業縮小などで解雇する場合には県との事前協議を義務づけていることを示し、県に「助成金交付企業の雇用実態をつかみ、(事前協議の徹底など)責任ある指導をすべき」だと求めていました。



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