2009年5月23日(土)「しんぶん赤旗」

核兵器ない世界へ

条約締結 議論早く

中国外相が提案


 【北京=山田俊英】中国の楊潔篪(ようけつち)外相は二十一日、「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」の共同議長として北京を訪れた川口順子元外相、エバンス元豪外相と会談し、「核兵器廃絶条約について議論すべきだ」との考えを伝えました。


 中国外務省によると、楊外相は「核兵器のない世界を実現するため国際社会が長期間たゆまぬ努力をする必要がある」と訴え。その上で、同委員会に四つの提案を示し、その第一に「核兵器を全面的に禁止し廃棄する国際条約の締結に向け、できる限り早く議論を進める」ことを挙げました。

 このほか▽核兵器を最も多く保有する二カ国(米ロ)が大幅な核兵器削減を続ける▽宇宙空間への武器配備を禁止する国際法文書についてジュネーブ軍縮会議で論議する▽相互信頼、相互利益、平等、協力を新しい安全保障観の核心にする―ことも求めました。

 同委員会は、日本とオーストラリアが主導しているもので、来年開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて核兵器の中期削減目標を設定して廃絶を提言する報告書をまとめることにしています。今回はその北東アジア地域会合として二十二、二十三両日、日中韓などの専門家が北京で意見を交わします。



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