2009年5月21日(木)「しんぶん赤旗」

グアム基地建設費346億円

日本の税金が米の口座へ

米では計画見直し論も


 米領グアムでの基地建設に対する日本の「資金提供」を法的に義務化した在沖縄米海兵隊グアム「移転」協定が十三日に国会で承認されたのを受けて、政府は直ちに米側への資金提供を行う方向で調整に入りました。


 米国防総省が七日に提示した二〇一〇会計年度(今年十月―来年九月)軍事予算案のうち、グアム「移転」経費は「日本からの資金提供を前提にしている」(外務省)ため、遅くとも九月までに資金提供する必要があるからです。米政府が日本国民の税金をあてにして軍事費を計上するという、前代未聞の異常事態です。

 日米双方のグアム「移転」経費を比較すると、費目と金額がほぼ一致するのが、アプラ海軍基地とアンダーセン空軍基地北部地区の「基盤整備」です。(表)

 日本政府は一九七九年度以降、米軍「思いやり」予算で日本国内の米軍基地整備に二兆円以上を投入してきましたが、これらは形の上では国有財産です。

 しかし、グアムの場合は日本政府が米財務省の「小勘定」(グアム用の指定口座)に年度ごとに基地建設費を送金し、米連邦予算に組み込まれます。完成した基地は米国の財産になります。

 一方、米側ではグアム「移転」計画の見直し論が強まっています。海兵隊のコンウェイ総司令官は六日、米下院で「再検討」の可能性を表明。さらに十五日にも米戦略国際問題研究所(CSIS)での講演で、「二〇一〇年版のQDR(四年ごとの国防計画見直し)で海兵隊が関係する三つの課題」の第一に「海兵隊のグアム移転に関係する部隊計画」を挙げました。

 同司令官の発言は米国防総省ホームページに掲載されています。

 米国内の議論もよく見極めないうちに、「とにかく支払う」という日本政府の姿勢は極めて異様なものです。

表


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