2009年5月20日(水)「しんぶん赤旗」

保育制度改悪へ審議

社保審部会 法制化向け開始


 厚生労働省の社会保障審議会少子化対策特別部会(大日向雅美部会長)は十九日、保育制度改悪の法制化に向けた審議を開始しました。この日は、新制度体系の設計に向けた今後の検討課題を確認。次回は六月二十五日に会合を開き、制度の詳細設計についての具体的な議論に入ります。

 同部会が二月にとりまとめた第一次報告は、市町村の保育実施義務をなくして保育所入所を保護者の“自己責任”とし、保育所増設は民間企業の参入任せとする新保育制度案の骨格を提示しました。

 そのうえで、▽フルタイム勤務者と短時間勤務者で保育所入所の優先度に差をつけるか▽保育の保障上限量を超えて利用した場合の費用負担をどうするか▽保育に参入した民間企業に運営費の株式配当を認めるか▽突然の撤退などにより子どもの保育確保が困難となることがないようにするための措置―などを今後の検討課題として列挙しました。

 第一次報告が示した新制度案に対しては、保育への国・自治体の公的責任が後退する点に批判が集まっています。保育関係者や保護者からは「当事者の声を審議に反映させるべきだ」「いたずらに混乱を招く制度改変よりも、待機児解消のための緊急対策と予算の拡充を」などの声があがっており、拙速な審議は許されません。



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