2009年5月19日(火)「しんぶん赤旗」
原爆症訴訟
原告全員を救済せよ
厚労省前 被爆者ら上告断念求める
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「原告全員を救済せよ」「認定基準を改めよ」。被爆者、原告らの唱和が厚生労働省に向かって響きます。原爆症認定集団訴訟・大阪高裁判決での原告勝利をうけて十八日、同省前で五日間連続の宣伝行動が始まりました。支援者らを含め約四十人が参加し、解決に向けた一刻も早い政治決断を求めました。
全国原告団の山本英典団長は「これまでの判決で認めた病気を厚労省が積極的に認定するよう、上告を断念させたい。被爆者・原告は高齢化しているが力を振り絞って頑張りたい」と表明しました。
二十八日に東京高裁で判決を迎える原告や東京地裁の原告五人が「一日も早く救済を」と訴えました。
近畿弁護団の藤原精吾団長は「被爆者に対する国の責任を問う訴訟が始まって六年がたつが、国は被爆者の訴えに耳を傾けていない。東京高裁判決を区切りとするために頑張ろう」とよびかけました。
宣伝では、ノーベル平和賞受賞者十七氏による「ヒロシマ・ナガサキ宣言」も紹介され、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の藤平典代表委員は「核兵器廃絶に向けて被爆者が果たしてきた役割を評価した宣言を被爆国政府が受けとめ、再び被爆者をつくらないと約束してほしい」と語りました。
同日、訴訟の全面解決を求める国会要請行動も行われました。
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