2009年5月18日(月)「しんぶん赤旗」
英 「職よこせ行進」1万人
「銀行より労働者救え」
【バーミンガム=小玉純一】英国の工業都市バーミンガムで十六日、「職よこせ国民行進」が行われました。英最大労組ユナイトが呼びかけ、製造業や地方自治体の労働者、大学職員ら約一万人が参加しました。
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参加者は「失業手当でなく仕事をよこせ」「爆弾でなく職をつくれ」などのプラカードを掲げ、強風のなか一時間行進しました。
二千人が解雇の危機にある大手鉄鋼会社コーラスの労働者たちは、そろいのTシャツで参加。「われらの鉄鋼を救え」とアピールしました。解雇手当の大幅増額をかちとったばかりの自動車部品会社ビステオン(フォード関連会社)の労働者たちの姿もありました。
行進後の集会で地元のユナイト代表ジェリー・クレーマー氏は、「バーミンガムは失業率12%にもなった。政府は労働者を守れ」と訴えました。
英労働組合会議(TUC)のバーバー書記長は「政府に言いたい。失業が第一の問題だ。国家の非常事態だ。銀行を救済する莫大(ばくだい)な資金があるのなら国民の雇用を維持する資金はあるはずだ」と強調。参加者は大きな拍手でこたえました。
「銀行家よ。富をこっちに分けろ」と紙製山高帽に書いたケビン・ジョス氏はマンチェスターから夫婦で参加。図書館の職員です。「政府は破たんした銀行を救った。その重役は高額の報酬を受けた。労働者の年収の何倍も。これは民主主義か」と語りました。
グラスゴーから参加したジョン・ピート氏はバス製造現場三十年のベテラン労働者。「私の会社の労働者二千人のうち、これまで九十人が整理解雇となった。自分も危うい気がする。だから仲間とやってきた」と話していました。
ユナイトは今回の行動の呼びかけに当たり、労働時間の短縮で雇用を維持するため政府補助や、学校・病院への公共投資などを求めました。
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