2009年5月17日(日)「しんぶん赤旗」

核軍縮への努力約束

NPT準備委閉会 保有5カ国が声明


 【ニューヨーク=西村央】四日からニューヨークの国連本部で開かれていた核不拡散条約(NPT)再検討会議の準備委員会は十五日、二〇一〇年の再検討会議の議題などを採択して終了しました。二〇一五年までの五年間の課題などを提起する「勧告」案は合意に至らなかったものの、核兵器保有五カ国(米ロ英仏中)は「準備委員会での前進と実質的な議論を歓迎する」との共同声明を発表しました。

 声明で五カ国は「核軍縮に努力するという永続的で明確な約束を再確認する」と表明。米ロによる新たな戦略兵器削減条約交渉の開始のほか、包括的核実験禁止条約(CTBT)発効に向けた努力、核分裂物質製造禁止(カットオフ)条約の交渉などの進展を歓迎しました。

 核不拡散をすすめつつ原子力の平和利用を拡大することを支持。二〇一〇年の再検討会議でNPT体制の強化をめざすことをうたっています。

 準備委員会は六日、核保有国による核廃絶の「明確な約束」などを盛り込んだ二〇〇〇年再検討会議の最終文書を踏まえ、NPTの運用を見直すとした議題で合意。その後、「勧告」案の協議を続けてきました。

 「勧告」原案が示された後、核保有国の軍縮目標の設定や、核不拡散問題、核の平和利用に関する国際原子力機関(IAEA)からの技術協力問題などを論議。各国間の折衝を重ねましたが、最終日までに合意できませんでした。



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