2009年5月16日(土)「しんぶん赤旗」
ソマリア沖
P3C派遣を命令
海外派兵 新たな段階に
アフリカ・ソマリア沖の「海賊対策」を強化するとして、浜田靖一防衛相は十五日、海上自衛隊のP3C哨戒機二機の派遣命令を出しました。十八日に先遣隊約四十人を現地に送り、本隊は今月下旬に出発します。自衛隊法の海上警備行動として実施するもので、P3Cが海外で実任務に就くのは初めてです。
派遣部隊の規模は約百五十人。すでにソマリア沖アデン湾に展開している護衛艦二隻(計約四百人)と、「対テロ」戦争支援のためにインド洋に展開している護衛艦・補給艦各一隻(計約三百三十人)を加えると、規模は九百人近くに膨れ上がることになります。
P3Cはソマリアの隣国ジブチの「ジブチ国際空港」に拠点を置き、ソマリア沖アデン湾で警戒監視活動を行います。政府はすでに、P3Cが収集した情報を米軍に提供することを明らかにしています。「海賊対処」に限らず、「対テロ」戦争など米軍が同湾で展開している軍事作戦全体を支援することになります。
また、ジブチ空港での機体警備などを行うためとして、陸上自衛隊の海外派兵即応部隊である中央即応連隊などから陸自隊員も派遣し、拳銃や小銃のほか軽装甲機動車二台も持ち込みます。中央即応連隊は初の海外派遣で、P3Cの派遣と合わせ、自衛隊海外派兵を新たな段階に引き上げることになります。