2009年5月12日(火)「しんぶん赤旗」
小沢民主代表が辞任
会見で表明 西松事件 開き直り
西松建設の違法献金事件をめぐる疑惑が問われている民主党の小沢一郎代表は十一日、総選挙勝利のための挙党態勢確立を理由に代表を辞任する意向を表明しました。小沢氏は、同事件で自身の公設秘書が三月に逮捕・起訴されても、説明責任を果たさず、国民の厳しい批判を受けていました。
小沢氏は同日の会見で、辞任理由はあくまでも「総選挙での必勝と政権交代の実現にむけ、挙党一致の態勢をより強固にするためだ」と強調。会見冒頭の辞意表明では、西松事件について一言もふれませんでした。
質疑応答の中では、「政治資金の問題については、一点のやましいところもない」などと従来の立場を繰り返し、「私がメディアの批判の矛先であるとするなら、私自身が去ることによって、それがかわされる」などと述べました。
小沢氏は三月三日の秘書逮捕の際、「なんらやましい点はない」「捜査を受けるいわれはない」と検察当局を批判して続投。秘書が起訴された同月二十四日にも続投を表明し、党執行部も了承していました。
同月二十七日には、民主党の代議士会、参院議員総会でも小沢氏の説明と続投が了承されており、なんら自主的に疑惑を解明しない民主党の党としての自浄能力の欠如があらためて問われています。
後継の代表選出について、小沢氏は会見で二〇〇九年度補正予算案の衆院審議終了後、「速やかに代表選を実施してほしい」などと述べました。