2009年5月11日(月)「しんぶん赤旗」

追い出し屋規制へ集会

家賃1日滞納で1万円/家財持ち去り


 わずかな期間の家賃滞納でも、かぎを取り替えるなどして賃貸住宅から退去させるケースが全国で多発していることを受け、全国追い出し屋対策会議など三団体は十日、都内で集会を開き、悪質業者を規制する新法制定を求めました。

 最近、敷金礼金なしの「ゼロゼロ物件」を売りにする不動産業者が増え、賃貸時に家賃支払い保証会社との契約を求める例が目立っています。入居時の初期費用や連帯保証人を用意できない低所得者向け「貧困ビジネス」として注目されています。

 被害実態を告発した母子家庭で都内在住の四十七歳の女性は家賃支払いが一日でも遅れると保証契約が自動的に解除され、同時に同じ条件で自動更新、更新料一万円がかかる契約をさせられました。

 「私は派遣社員で収入が不安定。常に十日間ほど支払いが遅れたため、約二年で二十七万円の更新料を取られました。部屋に来た取り立て屋は、チャイムを五時間も連続して鳴らし、小学生の娘は精神的に不安定になりました」と証言しました。

 都内に住む男子大学生(25)は二月に家賃を滞納すると、三月には部屋の荷物を全部持ち去られました。「返還時には、食品とトイレ用品が同じごみ袋に入れられ、パソコンは冷蔵庫の中でした」

 主催者を代表してあいさつした宇都宮健児弁護士は、「住まいは基本的人権ですが、家賃保証会社や物件管理会社を規制する法律はまだありません」と語り、新法の必要を訴えました。


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